高槻市に滞在中、頭には「大阪のくいだおれ」という言葉が浮かんだりもしたですが、もっぱらこれは大阪市にあってのことでもありましょうかね。高槻というところは位置的に「京の着倒れ」と「大阪のくいだおれ」の中間にあって、どちらでもない…ということになりましょうか。ということで、特に食にこだわってはおりませんでしたので、大した食事をするでなし。到着した晩は、てっとり早く阪急高槻市駅の中(改札外ですが)で目にとまった「津の田カリー」というお店で、そそくさと済ませたり。「野菜たっぷりのトッピングがおすすめです」とのひと言に従って、これはこれでおいしくいただきました。

 

 

今城塚古代歴史館に出向いた折には、安直に通りの向かいにある定食屋(夜は居酒屋でしょう)で日替わり限定ランチを。塩鮭にハムカツ、刺身も付いて、なんだか学生街の定食屋でおかずを追加したような塩梅になっておりましたよ。これもおいしくいただきました。

 

 

そんなこんなの中で、高槻市駅近くを歩いておりますときに「ん?!」と思いましたのが、とある居酒屋の店先に翻る幟旗だったのですなあ。「高槻うどんギョーザの会」と書かれておりまして。

 

 

はて?「うどんギョーザ」とは、うどんであるのか、ギョーザであるのか…。好奇心が湧いてきてつい入り込んでしまいましたら、果たしてかようなものでありましたよ。右端のからうどんがぴろりと飛び出しているのが見えますですが、要するにうどんをギョーザ的なるものにまとめて焼いたものであるようです。

 

 

ちなみに「高槻うどんギョーザの会」HPによりますと、「たかつき発祥ご当地グルメ!」を謳っていて、こんな説明がありました。

大阪府・高槻市北部で昭和50年代半ばより脈々と愛されてきた家庭料理。おやつにも、ビールのおつまみにもピッタリのご当地グルメ! 肉や卵、ニラなどの餃子の具材を、皮の代わりに細かく刻んだうどんを混ぜ合わせ丸めて焼き、餃子のタレやポン酢をつけて食べます。
最近ではユニークな「ご当地グルメ」としてテレビやネットでも話題になり、 新たな「高槻名物」として盛り上がりを見せています。

…ということなのですけれど、「盛り上がりを見せています」とはどうなんでしょ?高槻市駅の周辺やJR高槻駅とをつなぐ道沿いは何度かふらふら歩き廻りましたが、かの幟旗を他で見かけることもなかったような。また、うどんギョーザの会HPに紹介されているマップを見ても食べられるお店は結構限定的であるような。適当な比較かどうかは別として、山梨・甲府の「鳥もつ煮」あたりとは浸透度が異なるような…。

 

当初勢いがあって公式サイトまで立ち上げたものの、どうも思うような展開を見せることなしに低空飛行を続けている「八王子ナポリタン」を思い出したりもするところですが、高槻のうどんギョーザは「家庭料理」ということでもありますので、地元の方々は普通に自宅で食していて、わざわざお店で食べるまでもないということなのかもしれませんですね。

 

 

入ったお店ではひと工夫加えて「うどんギョーザ・イタリアン」なる品(要するにチーズ掛け)もありまして、バリエーションを設けておりましたよ。これをオーダーしますと、店員さんから「地方から来られたんですか?」と。かくもうどんギョーザに執心するのは一目瞭然の外部者ということかもしれませんですねえ。

 

それにしても、「地方から…」という問いかけに他意は無いのでしょうけれど、大阪でも他の土地から来ることを「地方から…」と言うのだなということに、「ほお」と思ったり。東京にいて「地方から…」と言ってしまうことはあるかもしれませんですが、言われた方はいささか面白くないかもしれんなあと、気付かされたような次第でありますよ。東京者の「おごり」が染みついてしまっていたのでしょうなあ、余談ですが。