函館にあって、いくら雨に降りこめられようとも食事をしないわけにはいきませんなあ。時折、ホテルから一歩外へ出るのもはばかられるくらいの降りに見舞われることがあるも、近くに函館の「有名店」の支店があるということでしたので、出かけてみたのでありますよ。その名も「ラッキーピエロ」とは?!
ここまでがちゃがちゃと入口から押し出されますと普通は反って引けてしまい、予備知識がなければ「入らないだろうなあ」とも。ガイドブックで見かけて、どうやら函館をはじめ道南地域に17店舗(だったかな…)あるそうですが、逆に言えばそれ以外には無いことになりますので、「函館ならでは」とも言えようかと。
創業者が幼い頃に見たサーカスのイメージを展開しているらしいのですけれど、ともあれ恐る恐る?2階の入り口に上がるとこれがまた、いやあ、なんともはや賑々しいお出迎えで。1階の入り口部分では、ともするとおもちゃ屋とか、ドン〇ホーテとか、そんな物販の印象もあるところながら、2階で改めて飲食店であると分かりますな。
基本線としてはハンバーガーショップであるようで、人気ナンバーワン・メニューは「チャイニーズチキンバーガー」とのこと。併せて、自家製熟成カレーライスも推しメニューのようでしたので、1番人気のバーガーと「縄文満点カレー」なる品をオーダーすることに。システムとしては、まずカウンターでオーダーして支払いを住ませ、勝手に空いている席を決めたらその席番をカウンターに告知すると、料理が運ばれてくるという仕組み。ですが、確かに昼時ではありましたけれど、このカウンターに結構な行列が出来ていたのでありますよ。函館市内には店舗が点在するも、この賑わい。ほお~と思った次第です。
ちとバーガーの全体像把握に失敗しておりますので、セットに付いてくる「オリジナル・ラキポテ」なるものもおまけにご覧願うとして、これが腹いっぱいになるのですよ。そして、「縄文満点カレー」はこちら。いずれにしても鶏の唐揚げが「売り」なのですなあ。
なんでもチキン料理は創業者の母親の得意料理だったと同社HPにありますけれど、要するに「おふくろの味」ともいうべきもので、ここにも創業者の思い出が生きているようで。ところでここの創業者の方ですけれど、ダイヤモンド社あたりから経営ノウハウ本を出していたりして、世界一や日本一を目指す企業がある中で、こだわって「地域で一番」を目指したのであるとか。いわばこれが成功秘訣なのでしょうなあ。
もちろん函館で受け入れられていることは大事ですけれど、勝ちに乗じて全国展開を図ったりしないところが観光客までを呼び込む結果につながるわけで。これが東京にもラッキーピエロがあるのなら、わざわざ函館で入ることはないでしょうしね。
ところで、入り口近辺のがちゃがちゃに比べれば落ち着いた店内とも言えそうながら、あの壁に掛かった絵は「もしかして、マティス?!」と。座席の脇にもやっぱり何故かマティス。これも創業者のこだわりのひとつなのかもしれませんですねえ。
と、上の写真の右下はじにちらり写っている缶飲料は、やはりラッキーピエロ・オリジナルの「ラッキーガラナ」なる飲み物なのですな。これをビールで割ると、ラッキーガラナビールの出来上がりというわけです。オーダーするとすでに割った状態で提供されて、適度にお好みでということなのか、割残したガラナ飲料は缶のまま一緒に出てくるのですが。
飲み口としてはビールという以上に、近頃とんとお目にかからなくなった「ドクター・ペッパー」風味というのが分かりやすいところでしょうけれど、そも北海道では(ラッキーピエロに限らず)ガラナドリンクはコンビニなどでも普通に見かけ、飲まれている飲料のようですなあ。ひょんなところに北海道ならではがあるものですなあ。
ということで、およそ函館あたりでしか食べられないラッキーピエロ。味の方は取り立てて…と思うところながら、そのボリュームは大したものでありましたよ。ついでなので、併設の物販コーナーで土産にといいますか、物珍しさにつられていささかの買物をしてきたのでありました。
堅実な攻めとでも言いますか、地域一番を目指して実際に函館で快走中のラッキーピエロですが、経営が創業者から代替わりしたということのようですので、果たしてこの後の展開やいかに。下手に全国展開の色気を出さずに地域密着を貫いていけるでありましょうか。大いに気になるところでありますなあ。