先日は折を得てジブリ作品の「耳をすませば」の、何度目かの鑑賞に及んだわけですけれど、
「耳をすませば」で印象に残るひとつとして、オープニング・テーマに使われた「カントリー・ロード」があろうかと。
歌っているのはオリビア・ニュートン=ジョンですな。
それにしても、元々はジョン・デンバーが歌ったヒット曲(Billboard Hot 100の2位とか)を
なんだってオリビア・ニュートン=ジョンが歌っていたのだろうと思うところでして、
オリビア初期の大ヒット曲「そよ風の誘惑」(今思えば何とも気恥ずかしいタイトル…)とは
かなり路線の異なるのですよね。ジョン・デンバーはカントリー系の人なわけで。
考えてみれば、ジョン・デンバーのオリジナル、タイトルは「故郷にかえりたい」で、
こちらの方が個人的には馴染むのですけれど、こちらが発表されたのが1971年でして、
オリビアによるカバーは翌1972年であったと言いますから、オリビアの売り出しにあたり
ヒット曲を便乗カバーしたということになりましょうかね。
ともあれ、「カントリー・ロード」というよりも「故郷にかえりたい」といった方が馴染むと申しましたけれど、
かといってジョン・デンバーの曲を数々聴いたという記憶も無いのでして、
辛うじてタイトルだけは知っているものがいくつかあるくらい…と、気付いたからには
この際改めてジョン・デンバーを聴いてみようと、近所の図書館からCDを借り受けてきたのでありました。
このジャケット写真からして、カントリー系の歌手といった受け止め方に間違いは無さそうですが、
収録全20曲、こてこてのカントリーとまでは言わずとも、カントリーらしいところといわゆるポップスとの間を
揺らぎつつあるといったようすを感じたのでありましたよ。
そんな収録曲の中に「わが故郷アスペン」という一曲がありまして、彼のコロラド愛の表れなのかもと。
だいたいコロラド州の州都デンバーを名乗ってしまうくらいですものね…と言う所に来て、
ではジョン・デンバーの故郷はコロラド州だったのであるか?と思えば、どうやらそうではないようで。
Wikipediaの紹介では、ニューメキシコに生まれ、その後アリゾナ、アラバマ、テキサス…と点々。
要するに、彼は「故郷貧乏」だったあまり、心の故郷として自らコロラドに決めたてな感じかと。
(かような故郷に貧乏する感覚は、かつて何度か転校を繰り返した者にはよく分かる気がします)
ですが、それでは「故郷にかえりたい」と歌ったウエスト・バージニアは?となりますと、
これもWikiの注釈として、この曲を歌っている当時、ウエスト・バージニアには一度も行ったことが無かったと、
そんな記載がありましたですよ。まあ、だからと言って曲の魅力が減ずるわけでもなしですけれど。
ところで収録曲のうち、「故郷にかえりたい」以外にひとつだけ、以前から聴き覚えのある曲がありましたな。
「太陽を背にうけて」というこの曲、1973年から流れたジーンズ(当時はもっぱらGパンと呼ばれた)のCM曲として
耳馴染みとなっていたのでありました。確かにブランドは「BIG JOHN」でしたか。
ちなみにちなみに、実は「BIG JOHN」ばかりか、「EDWIN」も日本ブランドであったのですよねえ。
ま、これは知られているとしても、「ジーンズ」という言葉はイタリアの都市ジェノバに由来し、
一方「デニム」という言葉もフランスの都市ニームに由来するとは。
いかにもアメリカ的な思えるファッションの起源はヨーロッパだったのですなあ…って、
先日Eテレで見た「“すごい発明”ストーリーズ」で「ジーンズ」を取り上げた放送回の受け売りですけれど(笑)。