昨日は読響の演奏会を聴きに池袋に行っていたのですけれど、

演奏会場内で「停電によるJRの運転見合わせのため、開演時間を10分遅らせます」とかなんとかいう

アナウンスが流れたのですなあ。「え?山手線とか止まっているわけ?」と。しかも停電って何よ?と。

 

10月7日(木)夜の地震の影響で、翌金曜の朝は通勤通学の人たち多数に影響が出たとして

事あるごとに言われますように、首都圏交通網の脆弱性をあげつらう声がありましたですが、

翌々日にまたかぁと言う感じではありますなあ。

 

演奏会が終わっていざ帰ろうと向かったJR池袋での案内では、

どこの路線にどの程度の影響があるのかどうにも判然としないような。

 

山手線には影響が出ているようでも、埼京線が大丈夫なら新宿に出られるので、

これまた大丈夫そうな中央線快速で帰れるか…てな算段もしたですけれど、

山手線が止まっておれば、仮に埼京線が動いていてもことも影響が出ることは必至。

 

すでに池袋に来た段階で「いやあ、たくさんの人出だあね」と思っていただけに、

動かない山手線の代わりに埼京線が混んでいるとも想像できるわけですし、

その後新宿から中央線を使うにしても西国分寺から先の運行状況はどうも怪しい…。

 

てなところから、きっぱりとJRを使わない帰宅ルートを思い描いたのでありますよ。

幸い池袋から西へは西武池袋線で所沢、西武新宿線に乗り換えて一つ戻った東村山から

西武国分寺線を利用するというルートです。

 

さりながら国分寺駅まで行っても、乗り換えるべき中央線の西国から先が不確定とあっては

いっそのこと国分寺のひとつ手前の恋ヶ窪で下車、そこからはバスで国立駅へ出れば自転車が置いてある。

時間はかかるにせよ、これなら行った先々で戸惑う必要は無しといささか悦に入っていたところ、

いざ恋ヶ窪駅で降りてみると、なんとまあ、目の前に消防車が列をなしているではありませんか。

 

そもJRが止まったのは変電所火災の影響とのことでしたが、

何とそれとはまったく関わりのない西武国分寺線の恋ヶ窪駅近くでも火災が発生しており、

片側一車線という広くない道路は消防車ほかの関係車両によって両方向とも塞がれている状態でありましたよ。

 

数珠繋がりになった車列の中には乗るべきバスも含まれており、

いつになったら動くかは予想もつかない状態。結局のところ、歩くことにしたわけでして、

いわばプチ帰宅困難状態というところでしょうか。ただ、歩いてみれば思いのほか遠くない。

あとからGoogle mapで見てみれば2キロあまり、それでも汗だくにはなりましたけどね。

 

とまあ、非常にローカルな駅名などを示しつつ、大したことのない帰宅困難状況をつらつら記してしまいましたが、

何かにつけ、影響が大きいととやかく言われるのはそれだけ日常の利用者が多い(多すぎる)からでしょうね。

もちろん変電所の火災なんつうのが、おいそれと起こっては困るわけですけれど、それ以前にも

いざ事が起こると何十万人とかいう単位で影響が出る、そうした通勤通学形態にあることにも

考えを巡らす必要はあるのではないですかね、もしかして。

 

この時はたまたま池袋にいたわけですけれど、コロナ禍の影響(おかげ?)で近隣を見つめ直すようにもなり、

以前にも増して都心へ出るのが億劫になっていたりする。億劫といってはそれまでですけれど、

さほどに都心に出なければならないということも無いのですよね。

 

多分に個人的な思いであって、都心に出なくてはできないこと、買えないものなどなどたくさんあって

そのことを大事に思う人もいることでしょう(多摩に逼塞して、事足りているように思う向きには

想像を超えることではありましょうけれど)。
 

鉄道の運行状況にトラブルがあれば、とばっちりを受けるのは利用者の側とはそのとおりながら、

利用者の側もまた、通勤通学買物その他もろもろの理由でどうしても都心でなくてはねと考えることには

疑問を差し挟んでもいいような。束の間、プチ帰宅難民になってそんなことをまた考えたのでありますよ。

 

というところで、東京芸術劇場で開催された読響の演奏会のことにはまったく触れずじまい。

そのお話はまた今度ということで。