駅弁購入で東京駅に立ち寄り、両親のご機嫌伺いに出かけた折、
ついでに覗いて見たのが髙島屋史料館TOKYOでありました。日本橋髙島屋の中にありまして。
「クリエイティブリユース―廃材・端材からはじまる世界―」なる企画展が開催中であったものですから。
タイトルでその内容は想像できるところでして、廃材利用のアート作品なども数多あるわけですが、
(例えば極端な例としてはヴィック・ムニーズの巨大作品とかがありますなあ)
アートはアートでいいとしても、日々ざくざくと発生するであろう廃材・端材の有効活用手段としては
おそらく追いつかないことでしょう。そこで実用品にリユースすることを考えたようなのですなあ。
会場内に一歩、足を踏み入れますと、何とも細かくもカラフルな世界になっておりますな。
あたかもユザワヤ(東京近辺の方には手芸用品店としてお馴染みのお店)の店内に入り込んだような気にも。
不要なモノとして捨てられそうになった廃材・端材を、色や素材別に丁寧に分類・整理すると、ある時を境に「マテリアル=素材」としか見えなくなる瞬間がやってきます。
と、このような説明が展示の冒頭にありますけれど、
まずもってこの丁寧な分類・整理には手間とスペースが必要になってしまいそうです。
個々の部品であるときには「捨てるしかないか…」と思えるところが、
こうして分類してみると、色や形などに着目して「!」と使いどころが見えてくることはありそうです。
で、実際に実用品にリユースされた姿にはこのようなものが紹介されておりましたよ。
気付いたらバッグばかりになってしまいましたですが…。
左上はデニムの裁断切れからできておりまして、右上はファスナーだけを縫い合わせたもの。
そして下のバッグは車のナンバープレートとタイヤの組み合わせで出来ているそうで、
実用品として個性的なものがお好みの向きにはいいのかもとは思いますが、
まあ、上の二つは普段遣いにも特段の支障はなさそうですな。
かような展示を見ておりますと、リユースの試みになるほどと思う一方で、
そもそも廃材・端材が出てしまうこと自体に「う~む」という気がしないでもない。
ファスナーのバッグなどは、縫製アトリエなどからは使われなくなったファスナーがたくさん出回るので、
これを利用しているということではありますが、そもファスナーはファスナーとして使えそうな気も。
もちろんリユースの発想は必要だし、それを実践しているようすには刺激を受けるわけですが、
そもそもその前にできることがありそうな…と考えたりしてしまうところながら、
現実的には個人ベースででも何かしらできるとすれば、むしろリユースの発想なのでしょうなあ。
ここに紹介された取り組み事例などはある程度大がかりなものであるとすれば、
その大がかりな組織というか、集まりというか、そうしたところからはむしろ「その前にできること」に
踏み込んでもらえるのではなかろうかと思ったり。
いずれにせよ「思う」だけなら誰にでもできる話で、
実際に「やる」ことをしないでいるものがとやかく言えたものでもありませんですけれどね。
そうであっても、少なくとも「思う」きっかけにはなったことにも意味はあろうかと思っておりますよ。