スポーティーな高級車に乗って、ばっちり相応の姿かたちで颯爽と車道を駆け抜けるような、

そんな自転車愛好家ではないわけですが、自家用車を持たない分、結構長い距離の移動に

自転車を利用することもある方ですので、こんな警視庁発行のパンフレットに目を通してみたという。

 

 

いわく『自転車の正しい乗り方』、今さらのようではありまして、

日ごろから注意事項を結構気にはかけている方と思っておりましたので、

例えば二人乗りや傘を差していたりイヤホンをしたまま自転車に乗ることは禁止と認識しておるわけで。

 

ただ二人乗りに関しては、街中でもこれを見かけたパトカーなどから

「そこの二人乗り、降りなさい!」てな注意喚起が飛ぶこともありますけれど、

傘差しやイヤホンが注意されているのは見たことがありませんですね。

 

たいだいイヤホンをしているかどうかをすれ違いざまに確認するのはなかなかに困難でしょうから、

これは見逃されても致し方ないですが、そもイヤホンをしたまま自転車に乗ってはいけない理由は

「運転上必要な周りの音や声が聴こえない状態」であることなわけですから、

外に大きな音が漏れるほどの音楽を流しながら走っている自動車の方こそ危ないように思うところでして。

ま、いずれにせよ、注意はされていないように思いますが。

 

一方で、傘差し運転はといえば、これも注意されているのを見たことがない。

なんとなれば、一般的に傘を差しているのは雨降りのときであって、

ここで「傘差し運転、やめなさい」、つまり濡れて帰れよとは言いにくいのでしょうなあ、きっと。

 

そんなこんなでパンフレットを作って周知に努めていますとはいえ、

気にかけない人はパンフレットをとることさえしないでしょうから、なんとも空しい努力かなとも。

 

ところで、気にかけない人は気にかけない。そうまで言わずとも、自分の認識する範囲内で注意はしている。

だから、傘差し運転くらい、イヤホンしているくらい、気を付けているから大丈夫…てな受け止め方は

なにやらコロナ対策での呼びかけへの反応みたいな気がしてきますなあ。

 

いくら広くあまねく呼びかける形を繰り返しても、およそ変わらないことがあるとは、

自転車の禁止事項もコロナ対策でも似たようなことなのかもしれません。

そうであれば、おそらくは違った臨み方が必要なのでしょうけれどねえ…。

 

と、話が脇に寄ってしまいましたですが、自転車の乗り方では認識不足であったことも。

自転車は左側通行で、逆走は危ないなあと常々思うところながら、歩道を走るときには

(歩行者優先は大前提としても)歩道のうちでも車道寄りを走るのだとは意識しておらず…。

 

交通法規とは別に、いつしか歩道でもそれなりのひと通りのあるところでは、

すれ違いに困らないように人もまた左側通行が習慣化(東京ではですが)してきているような。

そんな中で自転車は車道寄りですということが交通法規であるとしても、あまり認知されていなとすれば

むしろ法律を守ることが通行を危うくすることにもなりましょうなあ。難しいところです。

 

根本的には、日々の社会生活を送るうえでトラブルが起こらないようにするのが法律の役割でもありましょうけれど、

法律をきちんきちんと守ろうとするとぎくしゃくするようなことがあっては困りましょうし。

やはりなかなかに難しいところではなかろうかと思ったりするのでありました。