さてと、年の瀬の横浜へ行ってきたのでありますよ。
晩餐の場所はなかなか賑々しい色彩にあふれた街、
暮れないうちに有名どころだけ押さえてみることにいたしました。
まずは関帝廟。
言わずとしれた「三国志」の英雄のひとり、関羽を祀っているわけですが、
こうした人を神様のように祀り上げるのは、日本でも神社に祀ってしまうのと同じですな。
先に訪ねた大阪で見かけた豊国神社は豊臣秀吉を神様にしてしまっていますし。
さりながらこの関帝廟、あたりの表示によりますとどうやら金運のご利益があるらしい。
「いったいこれは?」と思い、「横浜観光情報」なるサイトを見れば、これこのように。
武人としてだけでなく、帳簿を発明するなど、理財にも精通していたため、中国では「財神」すなわち金儲けや商売繁昌の神として信仰されています。武将にとっても商人にとっても一番大切なものは信義・信用という点から、商業神としての信仰も厚く奉られています。
商売繁盛が期待されるとなれば、数々の飲食店・商店が立ち並ぶ中華街のど真ん中に
関帝廟があるのはなんともうなずける話ではありませんか。
と、こちらは横浜媽祖廟でありまして、
マカオを訪ねると必ず観光コースに入る媽閣廟と同じ神様でありましょう。
祀られているのは航海の女神と言われる阿媽ですので、
こちらはこちらで港町・横浜に馴染むところでもありましょう。
とまれ、かような中華街にとっぷり日が沈んでから改めて繰り出すわけですが、
ちとその前に夜の港でもと山下公園に立ち寄って見たのでありますよ。
みなとみらいの方は煌煌たる明りであすなあ。
そして、手前の大桟橋には(後から仕入れた情報によれば)その晩に出航して
グアムへのクルーズに出るという「飛鳥Ⅱ」(5万トン超のクルーズ客船で日本最大とか)が
停泊中。ときおり「ぶおぉぉぉ~」と汽笛が響き渡るのが「う~ん、みなとまちぃ」と思わせます。
とはいえ、その巨大な船体が大桟橋の向こう側にあって見えてない…というのが、
なんとも残念ではありませんか。
ま、それはともかく夜の中華街へと足を運ぶわけですが、
まだまだ忘年会でもという目論見は他にもあるのか、平日なのにそれなりの人出でしたなあ。
ただ大通りに面した大きな店は往々にしていかにもな予算が必要ですので、
個人的事情からすればむしろ幅の狭い横道へと入り込んでいくわけでして。
そんな裏道に入り込んだ中にある一店でもって、
海老チリ、アワビ、フカヒレ、麻婆、水餃子、揚げもち、海鮮炒飯…次々出てくる品々を
ことごとく平らげていったわけですが、もはや食すに忙しく写真に気が回らない(笑)。
「とりあえずビール」の後には、中華街オリジナル!という触れ込みが気になって、
「ドラゴンハイボール」なるものをオーダーしてみたですが、
ハイボールはハイボールだろうとたかをくくっていたところ、しかしてその実体は
ウイスキー・ベースならぬ紹興酒のソーダ割りであったのですなあ。
また、ひとつ物知りになりました。
まあ、そんな具合で横浜中華街の夜は更けていったのでありますよ。