ところで、今回のロシアの旅はパッケージ・ツアーで出かけたわりには
さほど土産物屋に連れまわされることがありませんでしたな。
まあ、市内をゆっくり見てまわる時間さえ無かったくらいですからねえ。


セルギエフ・パサド では一カ所だけ寄りましたけれど、
これはこれで浅草の仲見世のようなところでしたので、「まあ、いいか」と。



しかもここセルギエフ・パサドは、ロシアならでは土産物の代表的生産地となればなおのこと。
その品物というのがこちら、マトリョーシカでありますよ。



ですが、土産物としてあまりに有名なだけあって、マトリョーシカはどこでも売っている。
サンクトペテルブルクで入ったスーパーにも置いてありましたし、
ヴァラビョーヴィの丘 には土産物売りがワゴン販売に出張ってきていて、
やっぱりマトリョーシカを並べていたてな具合です。



そんな中にあって、セルギエフ・パサドがマトリョーシカの代表的生産地とは
そもマトリョーシカの生い立ちは?ということと関わりがありそうな気が。


Wikipediaにはマトリョーシカの起源として3つの説が掲載されていますけれど、
セルギエフ・パサドとの関わりを考えると、この説が有力なのかもです(個人の見解です)。

19世紀末、神奈川県箱根町にあったロシア正教会の避暑館にやってきたロシア人修道士が、本国への土産に持ち帰った箱根細工の七福神の入れ子人形がマトリョーシカの元になった…

箱根といえば寄木細工が有名ですけれど、

これとは別にろくろ細工という木工製品があるようでして、
七福神を象った入れ子人形があるそうなのですね。


これをロシアに伝えたのが正教会の修道士というあたりが、
いかにもセルギエフ・パサドに伝わっていきそうな気がするではありませんか。


ところで、上の写真で見てもマトリョーシカの表情は実に多様ですね。
おめめパッチリ系が多いのは、日本アニメの世界的人気?の影響でもありましょうか。

されど、セルギエフ・パサドに伝わる伝統のマトリョーシカは

実に素朴な面持ちなのでありますよ。


そして、外側に光沢を帯びる処理をしていないせいか、手作り感が強いですね。

上に見た仲見世でも、そのお店の人が作っていたりするようですから。

その手作りマトリョーシカは、一目瞭然でありましょうかね。



素朴さは断トツ、もちろん左側のが手作りマトリョーシカで、手作り感はこんなところにも。

ひとつひとつに手書きの文字が入っているのですね。



そして、開けてみますと中は(誰もがご存知のように)こんなふう。

取り出して全部並べて見るとしましょう。



ちなみに上の3種類並べた写真の右側、いちばん小さいものは変わり種でして、

中を開けてみると入っているのは…卵なのでありました。



そうそう、変わり種と言えばもう一つ。

こういうことを日本でやると、すぐにクレームがつきそうですけれどね。



これはこれで、ロシアらしい土産物と言えましょうかどうでしょうか(笑)。