モスクワのドモジェドヴォ空港 を出発したツアーバスは市内へと向かう…のですが、
やおらこの渋滞。片側5車線もあるんですけどねえ。


モスクワの交通渋滞

これを掻い潜ってまずたどり着きましたのは、なんだか無駄な広さと感じられる場所でして。
ちょうどトロリーバスに遮られてしまったものの、その向こう側がモスクワ市内を見渡せる
展望台として有名なのだそうでしありますよ。



ロシア語で「ヴァラビョーヴィ・ゴールィ」、訳して「雀が丘」と呼ばれている。
つうことは「ヴァラビョーヴィ」が「スズメ」の意なのでありましょう。


マンホールの蓋を見れば、なるほどです。
ヴァラビョーヴィの丘のマンホール

ところで、展望台というからには眺望のほどは…と思うところですけれど、
この丘の上まではわざわざゴンドラリフトが設置されているくらいなのですよね。



となれば、いささかなりとも期待が高まるのは人情というものですが、
「名物に旨いものなし」ではありませんが、往々にして期待は裏切られたりすることに…。


ヴァラビョーヴィの丘からの眺望

正面に見えるルジニキ・スタジアムは(サッカー・ファンはご存知なのかもですが)
2018年ワールドカップ・ロシア大会の決勝が行われた会場だとか。


旧ソ連時代に造られて、かつてはレーニン・スタジアムという名称であったとなると、
それを望む場所であることこそが展望台たる由縁だったりするのか…と

そのときは思ったところながら、先に見たドラマ「マクマフィア」 のオープニングの映像では、

方向的にはまさに雀が丘から市内を見ているのですが、「おお、眺めいいじゃん!」と改めて。


木立に隠れてしまって見えないのですけれど、実はスタジアムのある場所をぐるり囲むように

モスクワ川が「U」の字に大蛇行している場所だったのですなあ。

それが見えないとなれば、むしろこの展望台は市内の方向を眺めやるのでなくして、
反対に後ろ側を向いた方が「おお!」と思い、旧ソ連の合わせ技一本!的な見所なのかもです。
で、後ろ側を見てみれば、かような建物が立っておるのでありますよ。


モスクワ大学の威容

この「圧」を感じさせる巨大な建物、240mある中央上部に星のマークが付いておりますように
旧ソ連時代の建物で、スターリン様式による建築の代名詞的なものであるとか。
まさに建築のプロパガンダであるかと思うところですが、これがモスクワ大学であると。


かつてはどんなことでも資本主義国と張り合って負けてはならん、負けるはずがないというのが
ソ連でしたでしょうから、学問の府たる大学もまた「とにかく一番」と考えたのかもしれません。


とまれ、このモスクワ大学本館を含めて、モスクワ市内には

スターリン様式の巨大建築が7棟あり、
「セブンシスターズ」と呼ばれているそうな。
この後、町中でたびたびその威圧感を感じることになるのでありますよ。


ところで、雀が丘から眺めでルジニキ・スタジアムからは左手に振れた方向に
そこだけニョキニョキと現代風の高層建築が見えるのですな。
「モスクワ・シティ」という再開発エリアとのことですが、
こうしたあたりが今のモスクワの姿の一面ということになりましょうかね。