ベルリンを歩いて、ナチス関係の資料館「テロのトポグラフィー 」からさほどでなく、

いってみればベルリンの新都心のようなところのひとつに至るのですな。

Potsdamer Platz、ポツダム広場でありますよ。


名前の由来はすでに想像がつくものと思いますが、

ベルリンの隣町にあたりましょうか、「ポツダム宣言」で有名なポツダムの町がありまして、

そことベルリンとを結ぶ街道の、ベルリン側の出発点がここであった…てな関係ですね。


今ではベルリンの市内でもひときわモダンな高層ビルが立ち並ぶエリアとなって、

ショッピングやらエンタメやら、観光客を引き付ける要素に事欠かないわけですが、

ここにもやっぱり名残が置かれてありましたですなあ。



まあ、それもそのはずでチェックポイント・チャーリー の跡のところから
ずっと「ベルリンの壁」があった通りを歩いてきたものですから。
ポツダム広場もかつては壁に分断された場所として荒廃しきっていたそうです。


第二次大戦以前は多くの道が集まる繁華な場所であったようで、
ドイツで最初に交通信号機が設置されたのがポツダム広場であったとは
交通の要衝としての賑わいを裏付けるものではないでしょうか。


それが先に「テロのトポグラフィー」がゲシュタポやSSの本部跡と言いましたように
なまじナチスの権力中枢に近いロケーションでもあったが故に
第二次大戦の空爆では狙い撃ちされたようす。


ポツダム広場周辺は瓦礫の山と化しますが、
そのまま冷戦による対立の最前線として手つかず放置されていたそうな。
上の写真に見るようなモダンなビルが立ち並ぶ姿というのは
比較的最近のことようです。


ところでそんなポツダム広場の界隈で目に留まったものがありました。
こちらでありますよ。



立体的な「水道管ゲーム」でもあろうかという光景。
町中の目につくところに何だってこんなパイプが巡らしてあるのですかね…。




理由はベルリンの土地柄にあるようですね。
そも「Berlin」という地名の由来は、「Bär」(熊)に関係があるものとして
語られることが多くありまして、実際にベルリン市の紋章には熊が図案化されている。


ですが一方で別説によりますと、
昔々この辺りに住んでいた西スラブ人(今のポーランド人やチェコ人など)の言葉で
「湿地」を意味する「berl(birl)」が語源であるとも。


確かにベルリンは湿地帯にある低地(海抜0mであるらしい)にあって、
多少掘るとすぐに地下水が染み出してくるような土地柄だということなのですよ。


そこで建築現場などでは排水のための導水路が必要になり、
それがこんなふうに町中の空中を渡っているという話なのですなあ。


ポツダム広場はまだまだ発展途上で近くには建築現場があるということかもですが、
モダンなビル群を縫うように配された空中パイプはさながら現代アートのようであるとも。


一見したところでは「おやっ?」と思ったものの、
景観に馴染んでいるようにも思えたものでありましたですよ。