と、ザーンセスカンスから戻って再びアムステルダムのお話ということになりますが、

まずはこちらをご覧くださいまし。中央駅から目と鼻の先、ダムラック近辺です。


アムステルダム・ダムラック近辺にて

いやあ、駐輪している自転車の数、多いですよね。
そして橋の上も、湖の岸もこんな具合でありますよ。





こうした状況なれば当然と言えば当然ですけれど、

アムステルダム中央駅に隣接した駐輪場は実に巨大です。
見えにくいですが、自転車がずらりと奥側にも並んでおりまして、

しかもここに切り取ったのはほんの部分でしかないのですよねえ。



先にトラムのことを書いたときに言いましたように旧市街はかなり狭いところもあり、
車での行き来に支障を来すような状況ですから、自転車の機動性が重宝されて
自転車利用者が多かったりもするのでしょう。


そのせいか自転車専用レーンがしっかりと設けられていて、
うっかり歩道であると間違えて自転車レーンに立ち止まったりしようものなら、
自転車の側は思い切り警笛…でなくベルを鳴らして、

スピードを緩めることなく突っ込んで来るのですな。


日本でいえば車道にぼうっと立っていればそうなるということが、

ここでは自転車レーンに当てはまります。

しかも自転車レーンを走るスピードが尋常じゃない。

そのせいか、老人や子供が町中の自転車レーンを走っている姿を全く見かけませんでした。


加えて気を付けなければならないのは、アムステルダムの場合は自転車レーンというよりも
正確には二輪車レーンというべきでしょうか、オートバイも同じレーンを走ってきますので、
もはやうっかりなどと言っている場合ではないと思うべきかも。


先に出かけたザーンセスカンスをかつて訪ねたときには自転車で行ったと言いましたですが、
11年前にアムステルダムの町中で自転車を借り、郊外に出るまでは当然に町の中を走るも
今回感じたような自転車の突進ぶりはまるで印象に無いのですよね。

まあ、10年の年月がアムステルダムの自転車事情を大きく変えたとも思われないですが。


ところで、市民の足として大活躍している自転車だけにかなり盗難も多いとのこと。
運河クルーズの案内でもそんな話をしていましたっけ。
ですので、広場に並ぶ屋台店でもかような品がじゃらじゃらと売られておりました。



一見したところ、ちょいと長い折りたたみ傘?とも思うところですけれど、自転車のチェーン錠。

カバーを掛けて見た目はおしゃれな装いですけれど、中はごっつい鎖でとっても重い。
おいそれとは切られてしまわない代物なのでありましょう。


日本ではついぞかほどの重装備には出くわしたことがないですが、
ニューヨークで一度自転車を借りた際にはこのごっつい鎖が渡されて面食らったものですが、
その経験があるので見かけるだけではびっくりしませんけれど、
盗難頻度と重装備の度合いは比例するとは言えるわけですね。


ちなみに盗難に遭いやすいのは当然に高級自転車ということになりましょうけれど、
普及タイプの自転車の方と言っていいのかどうかながら、ちと日本のものとは違います。
ご覧になって気付かれると思いますが、ブレーキ(敢えていうならハンドブレーキ)が無いという。



この手のタイプはペダルを逆回転させるとブレーキがかかるということになっているそうな。
前へ踏めば進み、逆転させれば止まるという仕組みは理に適っていると言えなくもないですが、
止まるのは当然のごとく後輪だけだと思いますので、スピード出している状態で急に

ブレーキをかけたらひっくり返ってしまうようなリスクがあろうかと。


それだけに前輪、後輪にバランスよく制動をかける日本のハンドブレーキは

扱いやすいと思うのですが、アムステルダムで見かけたのは

ハンドブレーキが着いていても片側だけというのも多かったですなあ。


自転車レーンのことやら盗難のこと、はたまたブレーキのことで日本との違いを云々したものの
オランダにおいて大きな物議を醸すような事態ではないということならば
単なる旅行者たるもの「郷に入らば郷に従え」で行くしかないわけで、
アムステルダムではくれぐれも自転車にお気を付けくださいまし。