ザーンセスカンス
の堤防沿いを歩いてこの先に見える風車が最後となりますので、
普通はその後にもと来た道を取って返すということになるのですが、
その終着点というか、折り返し点というか、そういうところにちょうどうまい具合に
渡し船があったのですなあ。
12人が最大乗船人数のボートで対岸までの渡し賃は1ユーロ。
艫に腰かけたお二人がご夫婦で渡し守をしているようでありましたよ。
乗船場所のザーンセスカンスは日本のガイドブックにも載っていますけれど、
向こう岸のザーンダイクはおよそ情報は無し。
駅まで戻る近道くらいな感覚で渡し船に乗り込んだところ、
そんな情報の無さを知ってか知らずか、渡し守の奥さんが
「ザーンダイクの散策と見所」というA4判1枚ものの日本語(!)の資料をくれたのですね。
1ユーロの渡し賃でなかなかやるなあと感心しているうちにもザーンダイクに到着。
こちら側もやはり町中の方が水位が低いのでしょうね。
船着き場のすぐ脇にも閘門がありましたから。
手前と奥とで水位が異なっておりましょう(もちろん奥側の市街地寄りの方が低い)。
それはともかく、頂戴した資料を参考にザーンダイクの町を見ながら駅方向へと向かいます。
なかなかに落ち着いた、そしてきれいな街並みでありましたなあ。
資料にはドアや壁面の装飾に関する説明が多くありましたですね。例えばですが、
海神ネプチューンの三叉の槍と商業神マーキュリーの杖(二匹の蛇が巻き付いている杖)
コインを撒く幸運の女神の気前の良さをご覧下さい。
欄間窓にミツバチの巣箱の形が見える家は、かつて蜂蜜採集の農家であったとか。
あちらこちらに目をやりながら、やがては往路に渡った跳開橋のたもとに戻ってきました。
後は鉄道駅に戻るばかりではありますが、さて伝統家屋を模した外観のカフェでひと休みです。
いつもならば単純にコーヒーを頼むところながら、
実はザーンセスカンスの駅近くにはチョコレート工場がありまして、
風向きによっては漂ってくるチョコレートの香りに遭遇していたものですから、
ここではチョコレートドリンクのホイップのせということに。
歩き回ったところへ糖分補給で元気回復。
アムステルダムへの帰途についたのでありました。