聞き及んだところによりますれば、
レトルトカレーの「ボンカレー」が今年2018年で発売50周年なのだそうですな。
また、袋ものラーメンの「出前一丁」もやぱり発売50周年であるなそうな。
どちらも最近でこそあまりお世話にならなくなりましたですが、
かつて小学生の頃に「鍵っ子」(この言葉ももはや死語でしょうが)経験のある者としては
子供が自分でも作れる食品としてずいぶんとお世話になったような。
パッケージを見ると余計に懐かしさがこみあげてくるような気もしますですよ。
まあ、こうしたロングセラー商品がある一方で、
人はなかなかに嗜好の移り変わりが激しくもありますのでどんどん新しい製品が出てくる。
もちろん、消えて行くものも多いですけどね。
ところで、近頃の人はどんどんと刺激を求めておるのでありましょうか。
ある程度の刺激はやがて慣れてしまい、もそっと刺激の強いものと思うからですかね…とは、
大袈裟なもの言いですけれど、ふと気付くと昨今のビール(発泡酒なども含んでですが)には
アルコール度数の高いものが結構新登場しておるようで。
昨年訪ねたビール大国ベルギーでは、元から「ビール」といった場合の幅が至って広く、
日本のように「ビールと言えばアルコール度数5%」なんつう固定観念は全く当てはまらない。
そういうバリエーションの楽しみ方が日本にも出てきたということなんでしょうかね。
刺激という点では、ビールのアルコール度数の話以上に
「こんなのが出回るようになっていたのだあね」と思いましたのが、
たまたま近所のスーパーで「強炭酸水」なるのも見かけたからでありまして。
ヨーロッパなどに出かけてミネラルウォーターを買うときにはだいたいガス入りを手に取って
単に水としてぐびぐび飲んだりする方ですので、「強炭酸水」と聞いていささかの興味が。
もっとも、あのじゅわっという炭酸の刺激がもっと欲しくて「強炭酸水」を手にしたのではなく、
ハイボールを家飲みするときPETボトル1本を開けてその日に使いきらないものですから、
場合によっては封を切って何日か冷蔵庫に置いとくこともあるので、
少々気抜けする分が最初に多く含有されてるとほどほどかなと、勝手な理屈ですが。
とまれ、そんなこんなで「強炭酸水」を口にしたわけですけれど、
あらかじめ想像しておくべきだったところながら「結構きついなあ」という印象も。
やはり目論みどおりにいくらかの気抜け前提で使ったらいいのかもしれませんですね。
中には「この刺激がたまらないのよ」という人もおりましょうが…。
と、こちらは刺激というのはちとあたりませんで、濃度というべきでしょうか。
果物はもちろん野菜などでも、近頃はやけに「甘い!」を売りにする品種が作られているようで。
当然にして作物には味の個性がありますから、「甘い」と形容されても
それぞれに異なる味であることは間違いなにとは思うところながら、
それでも「甘い」のは「甘い」わけですな。
こうしたわずかな例示でもって云々するのは当たっておらないところでしょうけれど、
それにしてもいわゆる売れ筋みたいな消費者動向があって、
そこで「強い刺激が求められている」とか、「甘さが求められている」とか
そういう傾向の上に立っているのかもしれないとは思うものの、
どうも売れ筋が「右」といったら作り手は皆「右」を向いてしまい、
結果、買い手の方も(当初それを望んだか否かに関わらず)売れてるからと「右」を向いてしまう。
ひとりひとりが自身の味覚を信じて、また食品固有の個性ある風味を味わって
金太郎飴のようでない食生活を送りたいものですけれど、
ここまで書いてきて「これって、食べ物の話だけではないでないの…」と自問自答。
いやはやなんだか「おやおや…」な世の中だなあと思ったりしてしまうのでありました。