春先にはとても4月とは思われない暑い日があり、
今ごろになって「とても6月とは思われる寒い日が訪れる。
いやはや、どうなっておるものやらですなあ。
こういうときは暦上の季節感は無視して体感を大事にし、
昨日の晩飯には鍋物で臨んだのでありますよ。
幸い畑の収穫(最近あまり手伝ってませんが)の余禄に預かり、
野菜には事欠かないものですから。
夕方になるにつけ、冷えも加速度的に感じたものですから、
そそくさと土鍋の中を突いて温まったわけですが、
そんな折に点けたTVで何となく見ていたのがテレ朝「ごはんジャパン」でありました。
昨年、一昨年と2年続けて6月に出張で高知に行きましたので、
「高知で食すカツオはうまいねえ」と思っていたわけですが、
このときの番組で取り上げていた「カツオ」は愛媛県と。
愛媛県と言われるとはつい瀬戸内と思ってしまったりするところが、
今回の食材たる「びやびやカツオ」が水揚げされる愛南町の深浦漁港は
高知県宿毛市も近い太平洋に面した方であるそうな。
こうなると、高知の、愛媛のという県境での区分けは「カツオ」に全く関わりないことですなあ。
ちなみに「びやびや」とは「新鮮」の意であるらしく、
一本釣りで釣りあげたとたんに活け締めにして血抜きをするという手間をかけることで、
臭みがなく爽やかな香りさえ漂うという。
「びやびやカツオ」はブランド魚なんだそうです。
と、見ながら「ああ、うまそうだな」と思う一方で、
毎度思うことながら一本釣りって、うしろに放りだすとなんだってうまいこと
勝手に魚が外れるんだろう…という今更の疑問を抱いたり、
(機会ですので調べたら「返し」のない針を使っているそうで)
一本釣りの漁師さんには海外からの出稼ぎ組が多くいて
(番組で船に乗っていたのはインドネシアからの研修生とのこと)
日本で食す魚はかなりこうした人たちに支えられているのでもあるなと思ったり。
まあ、そんなことを思いながら
ブランド食材を庶民には無縁のお店の料理人が調理して「旨い、旨い」と言う
いわば当然の感想が聞ける番組(いささか僻んだ物言いかも…笑)を見ていたわけですが、
また「そう言えば…」と思い出すことが。
先ごろ届いた「抽選の結果、当選」という品物を見て、
この番組に出てくるような料理人の顔ぶれでもあるかなと思ったのでして。
「食の匠」と言われる料理人の人たちがそれぞれにブレンドしたというお米5種類が2合ずつ。
番組で取り上げられるようなブランド食材にも、その中で腕をふるう料理人の店にも
あまり縁がないとして、まあ、せめてこのお米を味わってみようかと思っているのでありますよ。
そういえば、まだ食べてなかったな…。