ということで横浜の海が見えるところ、「象の鼻パーク」へとやってまいりました。
「象の鼻」の由来となった長くゆるい弧を描いた防波堤越しに大桟橋が見えて、
大桟橋自体が大きな船のようでもありますが、あいにくとこの日は
大型客船は停泊しておりませなんだ。
ところでこの「象の鼻パーク」ですけれど、まさにここが「横浜港発祥の地」であるそうな。
当初は海にまっすぐ突き出した直線の波止場だったようですけれど、
冬の北風が強く当たるのを避けるため先端に弧を描く曲線を付け足して、
結果的に象の鼻のようになった…とは最近見かけたTVの受け売りです。
とまれ、かつて荷揚げの作業などが喧しく行われ、
運搬用台車のための鉄軌道と転車台の遺構も残っている…ということですが、
残念ながら見落としました…。
一方、海とは反対側を振り返ってみれば、その後大きくなった横浜港で
やはり貨物運搬には鉄道が使われていたことの名残りを示す山下臨港線の
高架が横切っています。今は遊歩道になっているのですよね。
そして高架の向こう側に見える建物が、横浜三塔のひとつで「クイーンの塔」と呼ばれる横浜税関。
化粧直しの最中なのか、すっかり囲われてしまっていましたけれど。
開港当時は神奈川運上所という名称で、
「通関事務のほか、船の入出港手続、洋銀両替、各国領事との交渉や
違法行為の取締りなど幅広い業務を取り扱った」ようす。
最初は現在の神奈川県庁の場所にあったそうですが、
やがて海寄りに移転したのが現在の場所で、今の建物は
関東大震災後の復興事業で昭和9年(1934年)に建てられたのだそうです。
と、この「象の鼻パーク」のあたりには(ほとんどの人は目をとめることがないようですが)
あれこれの解説板がひっそりと設置されておりまして、
その中には「海の日」の由来を伝えるなんつうものもありました。
明治9年(1876年)、東北巡幸に出た明治天皇が帰途は船に乗り、
横浜に帰着したのが7月20日。
これに因んで昭和16年(1941年)に「海の記念日」が制定され、
1996年に「海の日」という祝日になったとか。
そういうことだと知ってみれば、かなり戦時色の色合いが感じられるところでもありますが、
2003年以降移動祝日になってからは、夏の一日が海の日くらいの感覚に
なってきたかもしれませんですね。
ちょいと向こうには赤レンガ倉庫も見え始めて、足を延ばせばひと息ではあるものの、
踏み込んで行くのはまた次の機会として、神奈川県庁方面へと向かったのでありました。