とりあえず父親の入院騒ぎ(?)は明日退院の運びとなったようですので、
まあとりあえずはいつものようなお話に戻るといたします。
ちと時系列的には遡ることになりますですが…。
タイトルからすると、「ああ、今度はジャズを聴きに行ったのだな」と想像されるやも。
ですが、しかしてその実体はと申しますれば、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会。
会場のすみだトリフォニーホールは両親ところへ行きがてらに寄るにはちょうどいいものですから。
ジョアン・ファレッタというアメリカ出身の指揮者だけあってか、
昨年のデトロイト響来日公演でレナード・スラットキンがもっとアメリカ作品を聴いてもらいたいと
バーンスタイン、バーバー、ガーシュウィン、コープランドを並べたのと同趣向かと。
(といって、演奏会に出向いたのではなしくて、NHKクラシック音楽館で見たのですが)
今回のプログラムは、バーバーの交響曲第1番、ガーシュウィンのピアノ協奏曲へ調、
カーニスの「ムジカ・セレスティス」、コープランドのバレエ組曲「アパラチアの春」という並び。
見事にアメリカの作曲家の作品を並べたものでありました。
(ファレッタはナクソスでアメリカ音楽のCDもいくつか出しているようです)
でもって、先のデトロイト響公演ではガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」のソリストとして
ジャズ・ピアニストの小曽根真が登場しましたけれど、それの向こうを張って?今回は
ピアノ協奏曲へ調のソロを山下洋輔が弾いた…とまあ、そういう次第でありまして。
しかしまあ、この個人的には馴染みのないピアノ協奏曲、
プログラムの解説によりますと演奏時間は約30分とありましたですが、
全3楽章、1時間近い演奏ではなかったですかね。
第1楽章だけで30分近く、ここで拍手が広がりかけたのも時間的にはわからなくもない。
ソリストの山下が客席のほうを向いて「まあ、まあ」となだめるようすが窺えましたですよ(笑)。
ま、それだけ(個人的に馴染みがないのにとどまらず)よくは知られてない曲ともいえそうで、
予断は許さぬところではありますが、これだけのたっぷり演奏になったのは
カデンツァの故でもあったのでしょうか。
山下の演奏に接したことはなくても、肘で打鍵するという山下らしさは知られたとおりに
「おお、これか!」と随所に登場して…ということは、山下のノリを目の当たりする場面だったのかも。
(この肘で打鍵するという演奏は、思いのほか音楽的なんだなという新鮮な発見も)
とまれ、メイン・プロといって差し支えないボリューム感のあったガーシュウィンのピアノ協奏曲。
何度も何度も拍手に呼び出された山下がアンコールで弾いたのがまたガーシュウィン。
「サマータイム」によるインプロヴィゼーションでしょうかね。
これがとっても良くって、場内はまた大盛り上がり。
後半に向けて演奏会としてはかなり押し気味であったことは間違いないですが、
当初の予定どおりにここで20分の休憩をそのまま設けたのは、会場の雰囲気を
後半開始までにちとリセットせねば・・・と主催者側が考えたのかも。
つうことで、その他の曲のことはまた次の機会に。