さあて、ようやっと帰国便に乗る前日というところまで漕ぎつけました。
この日は月曜日で、日曜日に訪ねたメヘレン もあちこち閉まっていたりしたですが、
ご存知のように月曜日に美術館・博物館の休館が多いことは洋の東西を問わないようで。
ですので、旅先での月曜日は安息日にでもするか…と思ったりするところながら、
このときばかりは「ここなら!」というところを見出して出かけることに。
ただですね、「フランデレン紀行」という看板には偽りありということになってしまうのですな。
何せ行き先のワーテルローはフランデレン地方でなくして、ワロン地方に入るようですから。
とまれ、まずはホテル最寄りの中央駅のひとつお隣、ブリュッセル南駅へと移動。
ここからワーテルロー方面へのバスが出発するものですから。
ところで、この南駅はガラス張りの現代的な建物も伊達ではなく、
先に見た中央駅が完全に地下駅であるという制約もあってか、
長距離高速列車はこの南駅から発着するということなのですな。
これ、このようにTGV、タリス、ユーロスター、そしてICEまで南駅に発着する。
今回の旅の始まりにブリュッセル空港からブルッヘへ向かう道すがら通り過ぎた南駅には
まさにTGV、タリス、ICEが揃って停車しているさまが見られ、「おお!」と。
プラットフォームに上がれば間近で見られようかと思ったところが、
こうした列車に乗るにはセキュリティーチェックが厳しいのですなあ。
乗車券も無しに専用改札を通り抜けることはできないようです…。
ところで、南駅を出た目の前にはこんなベルギーの有名人を描いた看板が見えるのですね。
ベルギーの漫画家エルジェによって生み出された「タンタンの冒険」の主人公タンタンです。
ブリュッセルの街なかではあちこちでタンタンを目にすることができるらしく、
小便小僧のところへ向かうときにも出くわしました。
と、話を南駅に戻すと、駅の構内でも大きなタンタンに遭遇したのでありますよ。
漫画の1ページから抜き出した感はリキテンスタイン を思い出しますなあ。
ということで、すっかりブリュッセル南駅の話が長くなってしまいましたが、
ここは単にワーテルローへのバスの発着点なのでありました。
しかしまあ、ベルギーの首都ブリュッセルは二重言語地域とは前にも触れましたですが、
この南駅ではフランデレン語圏バスとフランス語圏バスとが違うターミナルでそれぞれに
運行されているのですなあ。
フランス語圏バスはもっぱら南側(つまりワロン地方の側)を走っておりまして、
ワーテルローに向かうバスもこちらからということになります。
と、少々話を端折って参りますが、ブラッセル南駅のバスターミナルから
TEC(Transport En Commun)のW線というバスに乗って1時間強。
「BRAINE-L'ALLEUD Route de Nivelles」てなバス停で下車しましたが、
フランス語に疎い(まあ、他の言語もですが…)者には周りのようすに「ここ…?」と。
これは取り敢えず帰りのバスの時間を確認してと思い、先に立ち寄った
ブリュッセル方面へのバス停ですけれど、往路の方も似たようなもの。
完全に郊外の幹線道路沿いにぽつんとあるバス停で近くには
目的地へのよすがが見当たらないのでありますよ。
どちらに行ったらいいのかも分からぬながら、
ともかく前方の信号のところまで行ってきょろきょろしてみようかということに。
だいたいワーテルローの戦跡がこの道沿いにいきなりあるとは思われないわけでして。
で、信号のところまで行き、試みに左の脇道へ折れてみますと、
「おお、なんとなく、それらしい」という建物が見えるではありませんか。
森かとも思えた幅広な街路樹の樹林帯の向こうはくさっぱらのようで、
いかにも大会戦が行われた場所でもあらんかと。
確証はなくもやおら元気を取り戻して、もそっと進んでまいりますと見えてきました。
「おお、ここじゃ、ここじゃあ!」と。
ライオンの丘が見えたときには、もうそれだけで「来たなぁ」感がありましたですよ。
というわけで、この後はワーテルローの古戦場を訪ねてのお話となっていくのでありました。