毎度TV番組は録画したものを見ておるものですから、

そこで見た何かしらを話題に上せる場合には

間違いなく何周もの周回遅れ感があるのはいつもながらのこと。


その点は例によってご容赦願うとして、

2月始めに放送されたEテレ「にっぽんの芸能」を見て「ほお」と思ったというお話でして。

「雪月花で彩る花ざかりの芸」というタイトルでありました。


それにしても、「雪月花」とは出どころは中国でしょうから東洋的なというべきなのかもですが、

それ以上に「和」の風味と実によく馴染んでいるような気がしますですねえ。

四季折々に花を愛でることは洋の東西を問わずありましょうけれど、

(日本では「花見」とは桜と決め打ち感があるのは独自であるとしても)

「月見」「雪見」に情緒を醸す世界は余り他では見られないのではなかろうかと。


知見が狭いので全く無いとはいえませんし、実は結構あるのかもしれませんけれど、

少なくとも日本画で「雪見」「月見」「花見」といったところが描かれるほどに

絵画の世界で題材にされてはいないのではないでしょうか。

静物画で花が良く取り上げられるくらいで。


とまれ、そんな「和」を醸す「雪月花」を取り上げて、番組のスタジオを飾っていたのが

デンマーク人フラワー・アーティストのニコライ・バーグマンという方の作品。

オフィシャル・サイトには「日本でもっとも顔を知られた外国人アーティストの一人」とあるので

自分のように知らない方が珍しいのかもですが、その作品には目を奪われましたなあ。


個人的には生け花とフラワーアレンジメント、フラワーデザインとやらの区別がつきませんが、

かようなことはともかくもオブジェとしての存在感に目がとまったというところかと。

それがたまたま花で飾られたものであるにせよ、そもそも花だからというところには関心なく

そんなふうに思えたところでして。


「雪」「月」「花」という3つの作品それぞれに、日本人が見て「和」の情感があるような。

ともすると、外国の人が何故こんなに?と思ってしまいそうになりますが、

そうした日本人独自的な発想がそもそも違っているのではと思いましたですよ。


さきにも触れたように西洋絵画に「月見」「雪見」の情緒を醸す作品は

あまり無いように思うわけですが、そのことをもって、

月を愛でる感覚、雪を愛でる感覚が全く無いとは言えませんものね。


気候風土や環境などがたまたま日本のようなところでは

雪月花を愛でる心性を掘り起こし、培ってきた伝統があるだけで、

他のところでは心の奥底にあって掘り出されていないだけかもしれない。

たまたま(かどうかは分かりませんが)ニコライ・バーグマンという方などは

日本の文化や気候風土とであって、掘り起こされたのではなかろうかと思ったりするわけです。


大がかりなオブジェも作っている一方、個人でも買えるものとして

「オリジナルフラワーボックス」てなものも手掛けてますが、

これなどは花の重箱詰めですよねえ。う~む、発想の妙でもあるかな。


こうしたところから、ニコライ・バーグマン作オブジェの展示があれば

いずれかの機会に間近で見てみたいものだと思ったのでありますよ。



3月の終わりに大宰府天満宮で「フラワーエキシビジョン」があるそうですが、

これにはスケジュール的にちと行けませんなあ。

もっとも、行ったら行ったら場違いな存在に見えましょうけれど(笑)。


…と「にっぽんの芸能」のこの時の放送では、

必ずしもニコライ・バーグマン作品を見せることが主ではなくして、

それぞれに雪、月、花をイメージさせる筝曲、清元、舞踊が紹介されていたのですね。


目論見としてはそちらのことを書くつもりでいたですが、

思いのほかマクラで長くなってしまいましたので、また別に書こうと思います。


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