東京でもまた雪か…と昨日の朝は思っていたのですけれど、
前回よりも雨の時間が長かっただけにむしろ解け残っていた雪の残骸が
多少洗い流されもしたような。何だか、雨上がりにはむしろすっきり感があったですなあ…と
それはともかくとして、面白い話に出くわしました。新聞で読んだのですけれどね。
総合研究大学院大学の研究チームが最近発表した成果ということですが、
「魚も八つ当たりする」らしいのですなあ。
それ以前から、サルやオオカミ、ハイエナなど哺乳類には
「八つ当たり」と思しき行動が見られるとは知られていたようながら、
魚もまた!というわけです。
大、中、小と大きさの異なるシクリッド(日本名カワスズメ)という熱帯魚を水槽に入れて観察。
すると、体の大きなのが中くらいのに攻撃をしかけると、今度は中くらいのが小さいのを攻撃。
まあ、こうしたことが一見したところ「八つ当たり」的行動と見えるわけですなあ。
しかしながら、「八つ当たり」を改めて辞書にあたってみますと、
「腹を立てて、関係のない人にまで当たり散らすこと」(goo国語辞書)とあるように
対象は誰かれなくの印象があり、それこそ相手の体が大きいか小さいかは関係なしですね。
(全く関係しないかは、八つ当たりの際にどのくらい冷静さが残っているかにもよりましょうが)
ですが、シクリッドは小さい方に矛先を向ける。
これは八つ当たりとは異なる自衛本能に基づくもののようなんですな。
生ずる結果のひとつとして、大から攻撃を受けた中が小を攻撃すると、
大としては中をも攻撃する側と見てとるのか、小を攻撃し始めるという。
また、もうひとつの結果としては、大から攻撃を受けた中が小を攻撃しないでおくと、
小にまで攻撃されてしまうというのでありますよ。
つまり、中としては好むと好まざるとに関わらず、
攻撃を受けたとき八つ当たり的行動に出ることが我が身を守ることになるのだと。
…とまあ、こうした研究成果の紹介を読んで思うところは、
こうした行動というのは動物の本能でもあろうかなあということ。
そして、ヒトもまた動物なれば本能的には潜在していることでもあろうかなあということでして。
たまたまにもせよ、ちょうど読み終えた本とのつながりを感じるところがあったものですから、
ちょいと備忘としておこうと書きとめておいた次第。
さて、その本のお話は近いうちに書こうと思います。
