いやあ、東京は大雪になりましたなあ。
夜になると雪の肌理が細かくなったのか、
天上で誰かしらががむしゃらに小麦粉を篩に掛けている…
そんな具合に降り散らされておりましたですよ。
帰宅途上の人は誰しもでしたろうから言うまでもないことではありますが、
やっぱり電車で難儀した口でありまして。
ぎゅうぎゅう詰めで乗り込んだ中央線の快速電車。
国分寺駅に到着すると、やおらの運転見合わせというのですな。
なんでも雪の影響でポイント切り換えが作動せず、
停まっている電車を走らせることができないということで。
向かいのホームに後続の電車が到着してもまだ動かない。
車内には「こちらが先発します」とアナウンスがあってしばし後、
結局ポイントの応急修理に手間取ったのか、向かいの電車が先発しますと。
それでも次にはこちらだろうと思っていると、
こののちしばらくは向かい側の線路のみで運行しますとのお告げ。
こうしたことに狭いホームをたくさんの人々が右往左往させられてしまったのでありますよ。
とまれ、何とか下車駅にたどりつきますと、
いつも自転車で行き来している自宅までの道を歩くわけです。
最初のうちは、頭の中でさびしく「雪の降る町を~」なんて歌を思い出しながら。
で、歩く場合にはショートカットになるちょいと広めの公園を、
いつものように横切ろうと足を踏み入れてしまってすぐに後悔しましたねえ。
歩道は何とか人の踏み跡があって不自由なく歩けるところが、
公園の中ともなりますと人跡未踏状態…。
思いがけないラッセル行軍を余儀なくされて、
すぐに頭の中では芥川也寸志の作曲による映画音楽に切り替わったのですな。
映画「八甲田山」で流れた音楽でありますよ。
てなふうな難儀を経た翌日、つまり1月23日ですが、なんとまあ「八甲田山の日」だという。
要するに映画「八甲田山」で取り上げられた遭難事故があった日が
1902年(明治35年)の1月23日であったという。
意味合いとしては、かような遭難事故を二度と起こしてはならんという教訓含みでしょうけれど、
くれぐれも雪の降った翌日には怪我のないようにしたいものでありますねえ。