近隣に「立川まんがぱーく」なる漫画図書館があるという話の流れから、
では行ってみようということになり、出かけたのでありましたよ。
同行者は予て「ブラックジャックによろしく」を読みたいと思っていたらしく、
そそくさと書棚から取り出して読み始める。
そうそう、言い忘れましたが、大人は400円。
カフェが併設され、食事も可能で一日じゅう漫画三昧しても400円です。
それはともかく、こちらは何を?となるわけですが、
思い返してそう言えば…という作品を思い出したのですなあ。
確か出張で載ったJALの機内誌で紹介されていたような気がする「鞄図書館」。
なんとなあく「面白そうだな」と思ったものの、そのままになっていたのでした。
で、館内の検索システムで探してみると、
見渡す限り漫画、漫画、漫画…の中にあってどうやら所蔵しておらないようす。
仕方がないので同じ作者ならば雰囲気も感じられようかと、
何の予備知識もなくこちらを手にとって見たのでありますよ。
「金魚屋古書店」という、いわゆる古本屋を舞台にした物語なのですが、
なんとまあ取り扱うのは漫画のみというマニアックなお店なのですなあ。
おそらくはこの類いの店は、現実には中野ブロードウェイにある「まんだらけ」のような
独特な雰囲気というか、独特な客層による微熱を含んだ雰囲気に取り巻かれているのではと
想像するものの、金魚屋の方は妙に、いわゆる古本屋、古本屋然としている。
まずそこに少々の違和感を抱いたり…。
と、やおら腐しにかかっているようにも見えるところながら、
ことごとに登場人物たちの口から懐かしの漫画のタイトルなんかが次々つぶやかれるのは
かつての漫画フリークには遠い目をしてしまいそうになる瞬間なのでありますよ。
ただし、作者の方がやや若い世代なのかなとは思いましたですが。
確かにある一時期、連載漫画の続きを楽しみしていたことがあるものには
「あの頃は…」などと懐かしく思い返すことにもなりましょうけれど、
個人的に「この漫画が人生を変えた」とか、そういう感覚はないものですから、
思い出と結びつけることを余りに熱く語られると、反って引けるような気も。
まあ、今も昔も淡泊なのですなあ、きっと。
結局のところ、つまらなくはなかったですが、2巻まで読んで、
あとは館内をぶらぶらしながら「いろんな漫画があるものだなあ」と。
(「ブラックジャックによろしく」を読んでいた側は4巻まで進んでいました…笑)
そして、館内は満杯とはいわないまでも、たくさんの人たちが、
それこそ子供から大人まで、そこここにくつろいだ風情で(床に座り込んで構わないので)
一心に読みふけっているのもまた、ほお~てなものでありましたよ。
品ぞろえの中には学習漫画や歴史ものをまとめたコーナーなどもあり、
もしかすると使い道もある図書館なのかなあとも。
この後、個人的にどのくらい使うかは未知数ではありますけれど、
少なくとも漫画で自宅の書棚が埋まることはなくなりましょうねえ。