話がちいとも観光めいたところにたどり着かないのももどかしいでしょうから(笑)、
やおらブルッヘ (くどいですがブルージュです)のホテル1泊の翌日、
つまりは歩きまわりの初日のお話へと。
ですが、出かける前から「世界の天気」やらで天気予報を気にかけていたところ、
滞在中のお天気がどうも芳しからざるようす。
最初の晩からすでに雨が降ったり止んだりで、
一夜明けてもどんよりと今にも降り出しそうな雰囲気が。
だもんですから、ブルッヘ観光ならばまずここへと思われるマルクト広場界隈は後回し。
差し当たり美術館、博物館詣でという屋内で時間の過ごせる場所へと向かったのでありました。
マルクト広場の南の方、Onze-Lieve-Vrouwekerk(聖母教会)の周辺が
言ってみればブルッヘのミュージアム・クオーターのような場所なのですなあ。
このような運河に面しておりますよ。
そして、この運河に面して聖母教会のお隣にあるのがGruuthuse Museumでして、
一般にグルートフーズ美術館(「地球の歩き方」ではグルートゥースと)と言われるようですが、
オランダ語的にはフルートフースな気も。
とまれ、後ろの聖母教会の塔と一体化しているかのような15世紀の貴族の館を
そのまま博物館にしてあるようですけれど、ビールの醸造権をもって羽振りのよかった一族の
往時の栄華を偲ばせる品々が展示されておる…ところが、大改修中らしく休館している。
いろいろあって、こたびは事前準備が十分でなかったもので…。
ちなみにこの館の裏側にもまたこのような別の運河があるのですね。
で、こちらの運河に面して「世界一小さいゴシック様式の窓」というものがありまして。
下の普通の窓と比べてみると、真ん中へんの窓の小ささがお分かりいただけようかと。
なんだってこんな小さな窓をわざわざと思うところですけれど、どうやらこれは見張り窓。
下の運河を通る船から通行税を取り立てていたそうでありますよ。
そんなこともあって財産も多いが敵も多いということでしょうか、
屋敷とお隣にある聖母教会との間には人に見られずに行き来のできる渡り廊下があり、
一説によれば暗殺予防であったとか。よほどの嫌われ者だったのでしょうかね。
それにしても、天気、悪いでしょう。どんよりして暗くて、降ったり止んだりの繰り返し。
ですので、休館中の博物館は潔く諦めて、すぐお隣の美術館へと
逃げ込むように駆け込んだのでありました…が、その美術館のお話は次にということで。