ということで暑い盛りに到着した日田温泉のホテル で、
レンタカーを駆ってこの日は湯布院から走りぬけて来る友人を待ち受けつつ小休止。
ほどなく合流を果たしたわけですけれど、友人もまたくったくたになっており…。
日田に観光に出かけた人がまず目指すのは
「重要伝統的建造物群保存地区」である豆田町界隈ということになるようで、
三隈川沿いに位置する日田温泉とはJR久大本線の日田駅を挟んでこっちと向こうという関係。
もちろん車で行けばさほどのことはないわけですが、この日は差し当たり宿の近辺を
ぶらりと歩くことにしたのでありますよ。しかし、暑かったですなあ。
豆田町ほどではないにせよ、こちらはこちらでちらほらとレトロ建造物があるようで、
先に申したように今回同行の友人はその系統に多大な興味を持っているものですから、
それはそれでのようなのですありますよ。
その友人がぜひ写真に押さえておきたいと言っていたのが「黎明館」という建物。
何でも1916年(大正5年)に大分銀行の日田支店として建てられたものであるとのことで、
いかにもなレンガ造りはなるほどフォトジェニックでもありましょうか。こちらです。
と、写真を押さえたところで立ち去ろうとする友人に「ちょいとお待ちを!」と。
「今はこの中が押し花美術館があって…」、「え?押し花に興味あんの?」というやりとりがあり、
「まあ、そう言わずに。入場無料だから」と誘って、「ひた押し花美術館」に入り込んだのですよ。
「押し花」と聞いて普通に思い浮かべるのは、
例えば朝顔なんかの花を摘んで雑誌の間に挟みこみ、幾種類か作ったら画帳に貼りこんだら、
さあて夏休みの自由研究の出来上がり!的なものでもありましょうか。
その点で、友人の反応はもっともなものであったというべきでしょうなあ。
されど、たまたまここに関してはHPを覗いて予備知識を持っていたものですから、
「そんなもんじゃあ無いはずなのよ、ここは」と思っていたわけでして、
入って実物を目にした友人も「ほお~、これが押し花?!」という具合。
内部は写真不可でしたので、その「ほお」とも思う押し花作品は
HPでご覧いただくしかないわけですが、およそ押し花の常識を覆しますね。
てか、押し花そのものというより様々な押し花を画材にした貼り絵のような作品というのは、
一般によく知られたものなんでしょうか。知らなかっただけにびっくりというわけです。
HPでご覧になれるのは日本画風ながら実に色鮮やかな作品ですけれど、
「これが押し花で作られているのか?」とHPを見たときに思っていたところ、
実物を見て「本当に押し花だ…」と確認することができましたですよ。
いやあ、実に細かい作業の賜物であるようで。
まあ、怪訝な顔で「押し花ぁ?」と言っていた友人を引っ張り込んだことでもあり、
作品を見て感心しきりとなったのが我が作品を褒められたかのような満足感につながった
「ひた押し花美術館」の見学なのでありました。