また遅ればせのお話ですけれど、
NHKクラシック音楽館で2週間前くらいに放送された「バレエの饗宴」を見ていたのですが、
バレエにもいろいろあるのだなあと思いましたですね。
番組では4つの団体がそれぞれの個性で異なる演目を披露してましたけれど、
クラシック・バレエとしてはすぐにも思い浮かぶチャイコフスキー の「眠れる森の美女」のように
バレエという無言の舞踊でもって物語を伝えようとするものがある一方、
舞踊こそを主役に立てて音楽は基本的に踊るための伴奏でしかないというようなものがある。
演目の中では、バレエ・リュスでも活躍したジョージ・バランシンの振付による
「テーマとバリエーション」(曲はチャイコフスキー、組曲第3番の第4曲「主題と変奏」らしい)などは
後者ということになりましょうなあ。
そして、ラフマニノフの交響詩「死の島」に乗せて繰り広げられた新作は
バレエ・ビギナーにはバレエもいわゆるダンスの一種なのだね…と思うしかないような。
曲がイメージさせる世界を視覚的に翻訳した作品といったらいいでしょうか。
「眠れる…」のように最初から曲と踊りとで世界を作っていくように構築されているものでなく、
また「テーマとバリエーション」のように踊りそのものの妙味、妙技を楽しんでもらおうというでなく。
結局のところ、我ながら意外にも「テーマとバリエーション」をとても楽しく見たのですよね。
バレエといえば、まずストーリー性が明確なものと思っていたところがあり、
これまでには「白鳥の湖」全幕を一度見たことがあるきりでしたけれど、
もそっとバレエの舞踊そのものに焦点があたったものなどを見に行ってもいいかなと
思ったのでありました。