多摩のあたりで両親をもてなす二日目。
なんだかお酒の話ばかりになってますが、この日もまたビールのお話

訪ねたのは東京・府中市にあるサントリービール武蔵野工場、
ユーミンの「中央フリーウェイ」に出てくるビール工場へと連れていったのでありました。


個人的には以前にも訪ねたことがあり、自転車で乗り付けてしまったがために
「なっちゃん!」しか試飲(?)させてもらえなかった…という話はどこぞでしたことがあったような。


とまれ、こんどはJR南武線・京王線の分倍河原駅発着の無料シャトルバス利用と、
ぬかりない状態で臨んだのでありました。


サントリー東京・武蔵野ブルワリー シャトルバス


と、かつてはサントリビール武蔵野工場と言っておりましたですが、
どうやらこの3月でサントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野ブルワリーと名称変更した由。
これに伴ってガイドツアーの内容も少々変わって(バージョンアップなのかな…)していたような。


それにしても、この日は平日だったんですが、予約が早くからうまっていることにびっくり。
その実、その混雑の理由としては子供たちがまだ春休みで学校がお休みだから…のようですが、
ビールの工場見学に子供がわさわさ来るというのも「なんだかな…」という気がしないでもない。
これはビールを搾るラインのようですけれど、しっかり子供が写り込んでおりましょう。



まあ、それはともかくとしてサントリーのビールです。
1963年にこの工場を建てて、ビール造りを始めたサントリーは
明治のビールメーカー乱立状態をくぐり抜けてきたところから比べると圧倒的に後発ですね。


サントリー〈純生〉


1967年に発売されたという、この「サントリー〈純生〉」のラベルに
見覚えのある方もおいでと思いますが、当時はわざわざサントリーを選んで買う人も少なかったのでは。
後発の悲しさでありましょうか、「サントリーはまずい」とまで言われていたようにも。
(といって、自らが飲める年齢には到達しておりませんでしたので、大人からの聞きかじりですが)


サントリー・モルツ


それがちょっと変化の兆しを見せたのが、「モルツ」の登場でしょうか。1989年のことだったようです。
元来、広告上手のサントリーですけれど、「モルツ、モルツ、モルツ、モルツ、うまいんだなぁ、これが」という
ショーケンを起用したCMは子供にも人気があったのではなかったかなと懐かしく。


これの後継として2003年に生まれたのが「プレミアム・モルツ」。
先にはわざわざサントリーを選んで買う人が少なかったのではと言ったことに反して、
まさに「うまいんだなぁ、これが」状態で(と飲める年齢になってましたので)

わざわざこれを買うようになって現在に至っている、とは個人の好みの問題でもありますが。


ですがここに至るまでの間には酒税の関係でビールが高いと「発泡酒」なるものが出回り、

本来のビール苦戦といった時代もあったやに思いますが、

そうした中でプレミアムと銘打って発泡酒はもとより普通のビールと比べても

少々高い価格設定(エビス並みか、実売ではエビスよりやや高では)を、
あの後発のサントリーが?!と時代の変化を思うところでもあるような。

それだけ「プレミアム・モルツ」に自信があったのでしょうか。


消費者的には「プレミアム・モルツ」あるいは「プレモル」なんつうふうに言いますけれど、
このブルワリーでは「ザ・プレミアム・モルツ」と正式名称である「ザ」付きで呼んでいるのですなあ。



麦芽100%、欧州産アロマホップ100%、そして「天然水のビール工場」では当然に水にもこだわり、
製法にも工夫がされ…といったあれこれ(子供たちの賑やかな声でよく聞こえませんでしたが)が
「モンドセレクション」ビール部門で3年連続最高金賞受賞という形となって表れているとか。
(もっとも「モンドセレクション」って有難いんだかどうなんだか今ひとつピンときませんですな…)


とまあ、なんだかんだと言っておりますが、見学コースの最後にはお待ちかね(?)の試飲コーナー。
たっぷりしたグラスに3杯までプレミアム・モルツ、「香るエール」、「マスターズドリーム」の
どの組み合わせでもOKというのですが、如何せん時間は20分ほど。



例によって両親との回し飲みも含めて全て飲み、すっかりほろっとしてきたわけですが、
試飲を文字通りにとれば飲み干す必要はないのですけれど(笑)。


ちなみに「マスターズドリーム」(醸造家の夢のようなビールということらしい)は
プレミアム中のプレミアムの扱いらしく缶入りは販売されておらず、瓶のみということで、
武蔵野工場では作っておらないそうな(利根川ブルワリーだそうで)。


やっぱりビールの最終到達点は瓶なのですよねえ。
缶に比べて圧倒的に重いという点で瓶を主体にした流通形態に戻ることはないのかもですが、
本当にうまいビールは瓶でと醸造家の側が思っているのならば、何らかの形で流通形態に
革新がもらされるかもしれませんですね。サントリーに限らない話ではありますけれど。


話を本筋に戻しますと、おかげさまをもちまして両親は多摩での楽しいひとときを過ごして
東京の東の端の方へと帰っていったのでありました。めでたしめでたし。


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