昨日、ニュース番組を見ておりましたら、
日本KFCが夜8時以降の残業を禁止する…てな紹介がありましたですなあ。
「働き方改革」を進めるとかいう話で。
この手の対応はすでに実施済み(そして失敗?)の会社もあったりするでしょうし、
さほどに目新しくもないように思うところですが、わりと一様に同じ言葉遣いがありますね。
曰く、残業禁止、止むを得ざる場合は事前申請てなふうに。
で、こうした言葉を見ていつも思うんですが、
残業したくてしてるんでないのに「禁止」って何?
働かされている側が何だって「残業させてください」って事前に「申請」しなくてはならんの?と。
全くもって言わでもがなですけれど、残業の本来は命じられてするものでありますね。
ですから、命じられなければ終業時刻で帰っていいというのが本来の労働契約でありましょう。
それが、日本人らしい責任感とでも言うのですかね、
担当している業務のことは担当者任せで片付けなければとばっちりは自分に来ると
担当者は分かってますから、是が非でも自分でやりおおせなくてはとなって、
結果、命じられるなんつうことなく残業して処理しているわけです。
「働き方改革」というのならば、そもそも「残業の禁止」だとか「残業の事前申請」だとかいう
お門違いな言葉を使うこと自体改められるべきだと思うのでよね。
例えばですが、残らなくてもいいのに居残って残業代を稼いでいる…てなことが
全く無いとは言えないことは想像できることで、そうしたことへの対応策としてはわからんでもない。
とはいえ、そのような例は必ずしも多くないでしょうから(多いとしたら、別問題でしょうねえ)、
全体的な対策が先のようなものとされることには違和感があるのですなあ。
そして、それを報道する側もまた「ドラスティックですねえ」などと伝えると
その気になって真似するケースも出てきましょうから、
むしろ日本人にとっての根本的な働き方意識の改革にはならないことに言及した方がいいのでは。
とまあ、かような話は以前にも書いたような気がしますけれど、
今回の日本KFCのような話がことあるごとに聞かされたりするものですから。
そのたびに「どうしてこうなっちゃうかな…」と暗澹たる気持ちになってくるわけで。
ま、「残業対策に王道無し」とは、こんなことを書いている自分でも思ってるんですけどね…。
