近しいあたりから「面白かったよ」とのひと言があったものですから、
釣られて見てみることにしたのが映画「神様はバリにいる」でありました。


神様はバリにいる DVD通常版

上のDVDのカバー写真を見ても分かりますけれど、

いつの間にやら独特のキャラ立ちを見せるようになってきている堤真一が
そのキャラ立ちのままに主人公アニキを演じていますけれど、しっくり行ってますね。


話は、大金持ちながらとてもそうは見えないバリ島在住のアニキが

自らの今を作ってくれたバリに、そして日本では失われてしまったとも思える素朴さを持って

神様を身近に感じて常に祈りを欠かさないバリの人たちに恩返しの気持ちを込めて

日々を送っている様を描いておりますね。実話ベースだそうです。


要するに善行なんですが、そうしたようすはともすると悪いことの隠れ蓑と思われたりして、
またあちこちに豪邸を持ち、それぞれにお手伝いさんをたくさん置いていたりするさまは
実は雇用の創出でもありながら、若い女をはべらせる胡散臭い日本人に見えたりするもので、

何事につけスムーズにいかなかったりすることにもなるわけですが、

アニキの一心なところはよく伝わってきますですよ。


そのアニキの一心さを引き出すものは偏にバリの人々ということになるのでしょう。
例えば信仰心を大事にしていることのエピソードとしては
小さな花篭のような供え物(チャナンというらしい)がそこここに置かれてあるわけですが、
これをヒロイン祥子(尾野真千子)がうっかり踏んでしまうと、それを見たアニキが
「こういう観光客が日本人のイメージを悪くするのだ」と嘆くシーンがあったりする。


もっともその場で初めてアニキに出くわした祥子の方でも
その「ガハハ」な傍若無人ぶりに「こういう人が日本人のイメージを悪くする」と

思っているあたり面白さの一面であったりするわけですが、

それはともかくどこにもおわす神様に対してお供えをするてなことは
日本人というか、日本の都会に住む者には無くなってしまってもいようかと。


こういう点でも「バリの人々はピュアで素朴」というアニキの印象が裏付けられましょうけれど、
現実にはそうした面ばかりではありませんですよね。取り分け観光客に見えてくるのは。


バリに一度しか行ったことがなく、いわゆるビーチリゾートのエリアだけの印象ですから、

もちろんバリの全てを知ってるかのように嘯くつもりはありませんですが、

その観光客でわんさかするエリアだからこそ、そこで生業をたてるひとたちの

観光客ズレしたところが目に付き、鼻についたところでもあったわけで。


それはともかく、「神様はバリにいる」のどこまでが実話ベースなのかは分かりませんけれど、

素朴な人たちがいて、それを真正面から信じられるとしたら、どこよりもいいところに思えましょう。


そして、そうしたようすを見ながらだからこそ?アニキが発する名言の数々も

「そうなんだよなあ」と思ったり。困難なときにほど笑え!とか。


今の日本に失われたもの…てな言い方ですと、とかく昔を懐かしむ的にも思えますが、

手放しで昔が良いとは言えない便利を現在は享受していることと、

その便利を手に入れるために失って反って面倒になっていることと両方あるわけですから、

時には「昔はよかったなあ…」と遠い目になるのもあろうことかと。


まとまりがついてはいませんけれど、

そんなこんなを思い廻らしつつも、「面白かった」と聞かされたとおりに見ることのできた

「神様はバリにいる」でありました。


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