とある電話での会話と思ってくださいまし。
子:ああ、かあさん?
母:あら、今どこ?
子:新宿。
母:晩ごはん、どうする?
子:今から帰るから。
母:それじゃ、待ってるね。
多少の脚色はあるものの、母と子の間で実際にあったやりとりでして…というほどに
特別な内容のやりとりではありませんが、実はこれが特別だったのだよなあと。
子というのは自分自身でありまして、その後帰宅して無事に夕食にありついた…となれば、
特別でも何でもないですが、その後に事は次のように進展したのですな。
子:ただいま。
母:あら、思ったより早かったね。
子:晩ごはんは?
母:え?食べてくると思った。
子:?食べてくると思ったって…?電話したじゃない。
母:電話?電話したの?
ここに至って、母子ともどもに「???…」となったわけですね。
自分は間違いなく電話をした。されど、母親は受けていない。
これしか考えられないという想像として、自分は自宅にかけるつもりで間違い電話をした。
間違ったかかった先で自分が母親と勘違いする誰かが応対し、
応対した側も自分を誰かと勘違いしていた。
ただし、かかる内容の電話がぴったりする背景を双方持ち合わせていたからだろう、
特段の疑いをはさむでなく会話が成立してしまった…てなことではないですねえ。
携帯電話も電話機のナンバーディスプレイも、加えて「オレオレ詐欺」的な行為も無かった当時、
不思議だねえと結果、笑って終わりになった出来事があったことをふいに思い出したのですね。
トリガーは、NHKの「SONGS」なる番組で吉田拓郎を見かけたからでしょうかね。
記憶の底に沈殿しているはずの、主に中学・高校時代のあれこれが次々浮上してきて
寝付きが悪くなるほどの状態になってしまったですが、電話のエピソードもそのひとつというか。
とまれ、先の電話を受けた側では晩ごはんを用意して、子を待ち受けていたところ、
(本物の)子はそんなこととも知らずに友人と夕飯を済ませて遅くに帰り、
「電話があったから、用意してまっていたのに!」てな不意打ちを食らったりしたのでは…。
そんな裏返しの思い出話をどこかでしている人、いませんかね(笑)。
