左ふくらはぎの肉離れ を発症してから2週間が経ちました。
我ながら、これほどによく医者の言いつけを守る者もないのではというくらいに
おとなしくしていた2週間でありましたよ。なにせ肉離れビギナーだもので(笑)。


患部に触れても痛みはほとんど無くなり、
今はアキレス腱からふくらはぎにかけての筋肉がいささか攣れるといいますか、
動かしてない分縮こまってるんでないの…という気がしておりますので、
これまた医者の言いつけに従えばちょっとずつ伸ばす運動をすることになりましょうか。
まあ、いわばリハビリですなあ。


ところで(全く話の流れは変わりますが)、ふいと気になったのは「リハビリ」の語源。
リハビリテーションの略であることは分かりますが、
頭の中では何となく「re+habit+接尾辞の-ion」てな組み合わせが浮かんでいたものの、
これでは「リハビリテーション」にならないじゃん!とひとりぼけ突っ込み。


思い込みで「習慣」の意である「habit」を真ん中において、
以前の習慣に戻る、日常に戻る…てなふうに考えてしまったわけですけれど、
全く「habit」は関係なくして、語源はラテン語であるとWikipediaに。


「re(再び)+ habilis(適した)、すなわち『再び適した状態になること』、
『本来あるべき状態への回復』などの意味を持つ」ということだそうで。
思い込みは禁物で、ふと思い立ったときには調べてみるに如くは無しですなあ。


で、とある食品スーパーで買物をとフロアを巡っておりますときに
これまたふいと気になったことがあり、思い立ったが吉日とばかりに調べてみたことが。
そも「食パン」とは何故「食パン」という命名であるのか?ということです。


昔に比べるとスーパーあたりで売られるパンの種類は格段に増え、
個別に外国語をそのままカタカナ表記したような名前のパンが見られる一方、
昔馴染みの「あんパン」、「クリームパン」、「カレーパン」なども健在ですね。


このお馴染みの「何々パン」というのはその名のとおりに
パンの中に入っているものがネーミングに反映しているものですので、
改まって「なぜ?」と思うこともないわけですが、はて「食パン」とは?


ということで探索を開始したところ、結論から言えば語源は不明ということで。
ただしいくつかの説はあるようで、その中のいずれが正解であるか、
はたまたいずれも正解でないのか、その点が不明ということのようですなあ。


そうしたいくつかの説の中で「ああ、日本人だなあ」と思いましたのが、
「主食用のパン」を略して「食パン」という説なのですね。


日本の文明開化でたくさんの「はじめて」が存在する横浜
ここが日本のパン文化の先鞭をつけた場所のようですけれど、
どうやら居留地の欧米人たちにとって「パンなるもの」はどうやら主食であると考えたらしい。


ですから、米不足が生じたときに「欧米人が主食にしているのなら」とばかり、
米飯がわりにパンで補うということも生じたのだそうでありますよ。


ここで肝心なのは「主食」という考え方でありますね。
以前読んだ「日本の食文化史 」にはこうした記載がありました。

かつての食生活では、飯を何杯もおかわりして食べ、腹を満たした。飯にくらべて美味ではあるが、高価な副食料理を多種類食べることは、ぜいたくであり、貪欲なこととされていた。食事は体を維持し、労働に必要なエネルギーを摂取するための手段であり、自動車にたとえれば、主食の飯はガソリンであり、副食料理はガソリンをうまく利用するためのオイルにすぎないので、少量あったらそれでよいという、享楽のための食事を否定する禁欲的な認識である。

こうした考え方から食事にかける時間が短いのも(従来型の?)日本人の特徴であるようですが、
禁欲的であるかという点よりもここでは「主食」の何たるかを気にかけたいと思います。


米飯をたくさん食べるための材料としておかずがあるわけで、その位置づけからすれば
日本において米の飯を主食と呼ぶのはその通りかと。

ですが、明治の人たちが考えたように「パンは欧米人にとっての主食」であったかといえば、
パンをたくさん食べるためにおかずがあるという考え方で食事をしているですかね…。


実際に欧米の方々がどう考えているかは分かりませんけれど、
彼の地に赴くという僅かな見聞きの中では少ないおかずでパンをお代わりするというような
食文化ではないような気がしているのでして。


ところが、明治の人たちは日本の食習慣から類推して
「パンは欧米人にとっての主食」と考えてしまったところから、
「主食用とされるパン」、略して「食パン」という呼び名が生まれてきた。


これが「食パン」の語源だという決定的な論拠はないのですが、
何だかいかにもなネーミングだなと思えて、一票投じたくなるところでありますよ。


別説としては、木炭でデッサンをする際に消しゴムがわりに使うパンを「消しパン」というに対し、
「食べるパン」即ち「食パン」といったのが始まりてなのもありますけれど、語源としてちと弱いような。
洋行帰りの若い画家たちがパン食の文化を牽引したてなことでもあるならば、あるかもですが。


肉離れの話から食パンの語源の話に転じましたですが、
もし欧米でパンが主食と考えられているのであれば、もそっとおかずとしての肉食は減る、
つまり肉離れが進んでいるのではないでしょうかねえ…と、おあとがよろしいようで(笑)。


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