シュパイヤー 往復も含めてマンハイム 滞在の2日間を終え、
マンハイム中央駅から次の目的地フライブルクへと特急列車ICEに乗り込みました。
が、結構混んでましてね、車両連結部に近いドアサイドで荷物に腰掛けておりましたよ。



マンハイムを発ったICEはどうやらほぼ30分おきに停車しているふうですね。
カールスルーエまでが30分、次いでオッフェンブルクまでがもう30分、
そしてフライブルクまではさらに30分、全体で1時間半程度の乗車時間ということで。


と、フライブルクに到着したわけですけれど、
出発前から申しておりましたとおりにここで少々用足しの必要があったものですから、
その部分は省いて観光要素に絞ることにすると話はすぐにフライブルク到着の翌日となります。


マンハイムに着いたときには早々にシュパイヤーで行ってきたのと同じように、
フライブルク市内のようすは後回しにして、まずはフランスへのサイド・トリップということに。


ライン川を隔てた西側はもうフランスでして、最寄りの町であるコルマールは
1日観光にちょうどいいとドイツからもたくさん出かけるようでありますよ。

フライブルクとコルマールの往復には電車とバスを使いますけれど、
この区間を途中乗り降り自由で24時間有効の「RegioElsassTicket」という周遊券がありまして、
単純往復するだけでも5ユーロくらい安いんではなかったかと。



フライブルク中央駅からはまずブライザッハというライン河畔の町までローカル線で移動。
到着したブライザッハ駅はすでにしてのんびりした田舎町の風情を醸していましたですよ。


ブライザッハ駅に到着


ここでバスに乗り換えるわけですが、たまたま土曜日であったせいか、
ドイツからの観光客(総じて年齢が高いのは日本と同じですなあ)がどんどん乗り込む。
で、ほとんどの人が(手元不如意そうに)小銭じゃらじゃらで運賃を支払っていくものですから、
出発までにかなりの時間を要してましたなあ(周遊券あるの、知らないんでしょうか…)。


コルマールまではバスで


行先表示に「COLMAR GARE」とあるのが「フランスに行くんだのう」という感じですが、
ライン川を越えてフランスに入りますと風景もまた変わるのですよね。
すぐ後に黒い森を背負った感のあるフライブルクと違ってフランス側は
こんなに広々とした耕作地なのでして(ちなみに帰りのバスの車窓風景ですが)。


フランスに入ると車窓風景は…


と、車窓風景で思い出しましたけれど、
観光付きのパッケージツアーに参加するとよくあるのが下車観光と車窓観光というやつですね。
下車観光は目的地でちゃんとバスを降りて見学するわけですが、車窓観光の方は
要するに通り過ぎざまにバスの中から眺めておしまい…と。


ブライザッハからコルマールへの移動途中に実は自主的車窓観光に及んだところがありまして、
本当は下車して見て回りたかったんですが、時間的余裕無しと踏んでやむなく。
ヌフ=ブリザックという町、これが世界遺産なのですなあ。


ヌフ=ブリザックの町(Wikipediaより)


wikipediaから俯瞰写真を拝借してくると、こんな具合。
あたかも五稜郭のような城塞が町ごと飲み込んだような感じと言えばいいでしょうか。
「ヴォーバンの防衛施設群」のひとつとして世界遺産に登録されているのですよ。


ヴォーバンというのはルイ14世に仕えた軍人で、敵方の城塞を攻め落とす名人である一方、

自らは難攻不落の城塞を造り出した人物ということですが、フランス国内に12ヵ所、
世界遺産対象の城塞都市があるのだそうです。


ところで、このヌフ=ブリザックという地名をドイツ語風に言い換えれば
ノイ・ブライザッハ、つまり新ブライザッハというわけなのでして、
本来はライン川の向こう側のブライザッハに要塞を構えていたフランスが
大同盟戦争(プファルツ継承戦争)の結果としてこれを失うことになるも、
ルイ14世としては怒り心頭に発したものか、ヴォーバンに命じてラインのこっち、
目と鼻の先のところに新たな城塞都市を造らせた…これがヌフ=ブリザックなのだそうで。


ラインの対岸に城塞とは軍略上必要だったかもですが、
ヌフ=ブリザックと言ってしまうあたり、ルイ14世の負けず嫌いさが偲ばれるような…。


と、すぐに行き過ぎてしまう幾何学模様風の堀などを車窓から眺めるばかりで写真も無く、
(バスは城塞都市の中で停車しますけれど、そこには城塞らしさはないわけで…)
思い切りの車窓観光ではありましたが、今回の旅で2つ目の世界遺産に接近遭遇し、
バスは一路、コルマールの町を目指して進むのでありました。


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