秋には方々でイベントが開催されますけれど、
近しいあたりで実施されるその前触れとして、回覧板でお知らせが来たりするわけですが、
それを見て「?!」と。


曰く「当日は駐輪場は使えません。駐輪施設はスズランテープを使用して
駐輪できない状態となります」云々。
原文通りではありませんが、ほぼそういうお達しが回ったのを見て
「スズランテープとは何ぞ?」と思ったのでありますなあ。


いかに歳を重ねようと、それまでも知らなかったことを知るということはあるわけで、
例えばノーベル賞の受賞ニュースに触れて「そんな研究があったんだ…」てなこともしかり。
ですが、身の回り、もっぱら日常的な今さら感のあるところで「知らなかった…」に出くわすと、
驚きを禁じ得ないといいましょうか。


回覧文の内容からして、スズランテープなるものの形状はすぐに想像される。
あのビニールだかプラ製品だかで出来てる幅広で薄いぴらぴらしたテープね。
古新聞をまとめたりする時に使うやつでしょ、という具合に。


ですが、その品物に「スズランテープ」なる名称があり、
かの回覧で自然に(つまりは誰にも自明のことであるかのように)その名称が使われている、
これに驚いたというわけでありますね。


早速にぐぐって見ますれば、Wikipediaに「スズランテープ」なる一項が立っており、
「ごく薄く幅の広い合成繊維製のテープを指す市場名である。…ポリエチレン製が一般的」
とあるのを見ますと、想像した品物に間違いはなかったものの、
「スズランテープ」とは伊藤忠サンプラス株式会社の商標ながら、
「ホッチキス」、「セロテープ」などと同じく市場で一般に通用している名称なのだと
言われますと、そうだったのか…と思うのでありますよ。


さすれば知らなかったのは自分だけでもあろうかと、
いずれも同年代の数人に「スズランテープを知っておるか?」と尋ねてみれば
皆一様に「初めて聞いた」というからには、少なくとも同年代では一般化していないようす。
回覧文を作ったのがもそっと若い年代のようなので、若い人ほど知っているのか…。


いやあ、大した話でもないのに長々引っ張ってますが、
「知らなかった」ついでにもうひとつ、つい先日これも「そうだったのか」と知ったことを。


ぼんやりTVで紀行番組を見ておりましたらば、
アメリカのボストンを取り上げていたのですね、JFK誕生の地として。


で、あれこれ所縁の場所なんかを紹介していたわけですが、
そのときにBGMに流れていたのが「トゥギャザー、トゥギャザー、トゥギャザー…」と
もの悲しく繰り返す曲。たぶんすぐにメロディーが浮かぶ方もおいででしょう。


「おお、聞いたことある」と思い、少々プロコル・ハルムの「青い影」を耳にするときと
同じような懐かしさといいますか、そんなものを感じたりしたのですね。
ですが、この曲、歌詞がJFKの大統領就任演説から取られているとは知らなかった…。


しかも原曲は、日本でCMのBGMなどに使われたときには入っていなかったであろう、
演説の際のJFKの生音声が歌をリードするように入っているのですなあ。


「Together」で始まり「Let us begin」で終わるこの歌はJFK在任中に
「Sing along with JFK」というアルバムに収録して発売され、
暗殺後にシングルカットされたのだとか。


アメリカの政治にも大きな光と影が表裏一体のようにあって、
JFKの時代もまた必ずしも例外ではないとはしても、
相当な期待感が溢れていたろうことはこうしたことからも想像できますですね。


暗殺されてしまったことが余計に持ち上げる効果を生んだ部分はあるものの、
それでも「一緒に」「始めよう」と語りかけたJFKの清新さは
アメリカ以外の国にも伝わっているような。


そんな中、JFKゆかりのボストンを訪ねる番組の中で
「ケネディをどう思うか」とマイクを向けられた若者グループの一人が
「私はそんなに評価していません。その後の世界がケネディの残したものを
受けつがなくてよかったと思います」と答えをしてました。


先にも触れたようにJFKだからといって手放しで称揚できるわけではないですし、
それをもっと極端に「評価しない」という意見を持つ人がいても不思議でないとは思うも、
(具体的にどういう部分が評価できないかは不明ながら)こうもはっきりと
不支持の表明がなされることがあるのには、これまた「知らなかった」現実だなと
思ったりもしたのでありますよ。


取りとめもない話ながら、いやはや知らないことはたくさんあって…。


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