和メープル 」を使ったランチコースで満腹になった後、
エコツアーの最後に向かったのは秩父ミューズパークというところでありました。


秩父市の中心部(Google map)


地図の左側を南北に秩父鉄道が通っておりまして、
右手からニョロっと廻り込んで合流するのが西武鉄道秩父線です。


秩父鉄道の左側には大きく小さく蛇行して北上する荒川の流れが見え、
線路とこの流れの間が主に秩父市の市街地ということなわけですが、
荒川のさらに左手(西側)、南北に伸びて山塊が横たわっているのがお分かりいただけようかと。


で、秩父ミューズパークとは(地図の表記からして)その山塊の真ん中のくびれの辺り…
と思われるかもしれませんですが、実はこの山並みを南北に走る尾根道をそっくり均してできている。
その広さは273ヘクタール余り、よくある比較で言えば東京ドーム208個分になるというのですね。
(東京ドームがぎっしり208個並んでいるさまを想像すると気持ち悪いですが…)


開発したのは西武と聞けば「なるほど…」と思ったりもするところですが、
すでに西武に昔日の勢いはなく(普通の企業になったのでしょうか)、
秩父ミューズパークも今は西武が手放して、埼玉県と秩父市の共同管理になっているそうですが、
何せ広いだけに使いように困っているのではないですかね。


ところどころにアトラクション施設が点在していますけれど、中にはその名残りと思しきものもあり、
車での通りすがりに見えたゴーカート場も(冬季で休業中なのかもとは思うものの)
コース作りのために並べられた古タイヤが見ようによっては散乱しているようでもあり…。


と、そのようなところに「和メープル エコツアー」の続きで何しに行ったかですが、
自前の「シュガーハウス」(樹液からシロップを精製する施設)を持ちたいとの念願がかなって
「和メープル」の事業主体独自の施設を持てることになり、それがミューズパークの中にあると。


現在はまだ改装に掛かるところながらお披露目でと案内されたのは、
かつてはミューズパーク本来の施設であったパターゴルフ場のクラブハウス。
つまりパターゴルフ場は廃業してしまったのですなあ。


とまれ、内部に機械だけは据え付けてありまして、
左側が樹液を煮詰める機械、透明な樹液がこれによって琥珀色と化していくのですな。

色の正体はポリフェノールであるそうですよ。

そして右側が漉す機械で、いずれもカナダ製を取り寄せたのだそうです。


樹液を煮詰める機械 シロップを漉す機械


さすがに本場のカナダにはこの手に機械の種類が豊富で、どの程度の総量を処理するかによって
機械の大きさを選択できるようになっているというのですね。
大規模な農場から、ともすると個人でのシロップ作りにまで対応できるのではなかろうかと。


という「シュガーハウス」の紹介があって、後は西武秩父駅に送ってもらって解散という
エコツアーはいろいろと興味深いであったなと思うのでありました。


ですが(といって、エコツアーには関係ないですが)
秩父ミューズパークそのものの方も気になってきてしまったり。

思い起こせば、西武の開発以前ですからかなり前ですが、

友人とこの里山の尾根道を歩いたことがあったなあということもあったものですから。


里山だけに踏み跡が多いこともあり、すっかり道に迷ったというところで、
赤土の急斜面に足を取られてずずず~っと滑落…とは大袈裟で、

さほど長い距離でなかったですが。


で、落ちたところがどなたか山裾にお住まいの方の裏庭でありまして、
申し訳ないと頭をたれつつ敷地内を無断通過させてもらったのでありますが、
ズボンがすっかり泥だらけになったものですから、

秩父市内の衣料品店でジャージを買ったんだった…てなことまで思い出してきたのですね。


ま、ジャージを買ったことはともかくも、
すべり落ちたら人の家というくらいの里山であった場所が

随分と趣きを変えてしまったものだなと。
この後も観光資源としての使いようを探っていくのかもしれませんけれど、
地元の人にとっては里山は返ってきませんですね。


そんなミューズパークの前日に吉田元気村 に行くために通り抜けた折、
たまたま休憩すべくミューズパーク内で車を停めた駐車場のすぐそばに

展望台が作られていたので登ってみたという。


旅立ちの丘@秩父ミューズパーク


秩父の市街地を一望に見渡せる展望台には「旅立ちの丘」という命名がなされておりました。
何でも卒業式の定番ソング化している「旅立ちの日に」という歌(全く知らなかった…)は
作詞も作曲も秩父市の中学校教員の手になる作品なのだそうで、

秩父発で全国区になった歌だとか。


旅立ちの丘から望む武甲山と秩父の市街地


この歌のコーラスが流れる中で、広々とした眺望を目の当たりするのはなかなかにいい気分。
この展望台なぞは利用方法として成功例のひとつかもしれませんですね。


…ということで、どこまでエコロジーに絡むお話であったかは別として、
「秩父エコロジー紀行」はこれまででございます。
個人的にはまたいろいろ考える契機にはなったなあと思い返しているところでありますよ。


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