ゲーテハウス
・ ゲーテ博物館
からゲーテ像のあるゲーテ広場は至って近いのですけれど、
広場はここかと近付いていくとまず目に入る立派な記念碑がありまして、
最初はこちらがゲーテ顕彰碑でもあろうかと思ったのですね。
こうして高層ビルがモニュメントに覆いかぶさるように見えたりするあたりが、
いかにもフランクフルトらしい街の風景ということにもなりましょうが、
どうやらこれはゲーテ
ではなさそう。
肖像画であろうが、銅像であろうがどれを見ても必ずぎょろっとした目に出くわしますが、
これにはそれがありませんし。
結局(先日お目に掛けました)ゲーテ広場のゲーテ像はもそっと先にあったわけでして、
それではこれは何ぞ?と思えば、ここでまた思わぬ出会いとなったかという
グーテンベルク記念碑なのでありました。
事業を乗っ取ったヨハン・フストとペーター・シェッファーと並び立っていることが、
グーテンベルク
にとってどんなかな…とは思うところですけれど、それはともかくも
印刷術の普及は学芸や科学技術の発展に多大な功績に繋がったからということなのか、
台座の四隅には「神学」「詩」「知識」「産業」のアレゴリーが配されている。
(「産業」だけは裏側になるので写っていませんが)。
とまあ、かように立派な記念碑を眺めた後に向かいましたのは、
カルメル会修道院(Karmeliterkloster)でありました。
「Museumsuferfest 」の一環で行われる
「Klang im Kloster」という音楽イベントを聴きにいったのでして(ちなみに「Klang」はサウンドの意)。
ちょうどこの土曜日と翌日日曜日にそれぞれ4回のミニ・コンサートが
開かれることになっていたものですから。
入場は無料ですが、様子からして例の「Museumsuferfest-Button」を持っている人が対象。
その場でも購入することができるので、買って入ってくる人たちもいたですよ。
入口すぐ右手側にある(想像するに)修道院の食堂ででもあろうかという空間での演奏会は、
教会の堂内
そのもので聴いたほどに残響があるわけではないものの、
バロック以前に音楽にはぴったりとくる雰囲気でしょうか、
普段も演奏会によく使われている場所のようです。
で、ここではこの日に一回、翌日には二回と都合3回分の演奏を聴きましたですが、
最初はヴァイオリンの独奏、次いでソプラノとバロック・ヴァイオリンのデュオ、
最後のはチェンバロ独奏(ブロックフレーテとのデュオの予定が、何故だか笛が現われず)というもの。
ヴァイオリンやチェンバロのソロももちろん素敵な演奏でしたけれど、
取り分け印象的であったのはソプラノとヴァイオリンのデュオなのでありました。
袖口の方からゆるり歌いながら登場してきたソプラノの神秘的にたゆたう響きは
何とヒルデガルト・フォン・ビンゲン の曲!これには、くくっときましたですねえ。
修道院という場所柄もあり、非常に印象に残るものとなりましたですよ。
(Youtubeの「Klang im Kloster 2015」で演奏の一端を聴くことができるようですので、ご参考まで)
それぞれの演奏は30~40分と短めの時間ながら、
今回の旅で「ラインガウ音楽祭」の演奏会に一度しか行けなかったことを補って
充分満ち足りた気分になったわけですが、これも「Museumsufersfest」のおかげですなあ。
ですが、「Museumsufersfest」での音楽イベントはこれに留まらず、
そちらを覗き廻ったあたりはまた別の機会に改めてということで。
で、次にはこのカルメル会修道院の建物を利用して置かれている
博物館などの展示のようすに触れておこうかと思っております。