ライン川を挟んで東側のリューデスハイム
から西側のビンゲンへと渡し船に乗り、
話の続きはビンゲンからということになります。
ブレーメン
から所々で寄り道をしつつ、ひたすら南下してきたことからすれば、
その延長線上としてはマインツからフランクフルトへ抜けることもできたのですね。
一度フランクフルトは夜着いて、そのまま夜行で北へ向かう乗り換え駅にしてしまいましたので、
今度は立ち寄ってもいいかなとは思ったですが、自由きままな全21日間とはいえ、
さすがに帰国日が近付いてきており、帰国便に乗るパリに向かう必要があることから、
この際少しずつでもパリへ向かっていくかと考えたような次第。
そこでビンゲンからはフランクフルト方面とは反対方向に向かう列車に乗ったのでありました。
これでコブレンツに戻るときに「ローレライ」を拝んだわけですね。
先にライン川の西側にいないと見えないはずといいましたが、
ずっと東側を移動してきて渡し船で横切ってますから、これで帳尻があったというか。
こうしてたどりついたのが、コブレンツであります。
コブレンツはライン川にモーゼル川が注ぎこむ合流地点に当たっていて、
その合流点は整備された広場状(あたかも戦艦の舳先のよう)になっており、
「Deutsches Eck」(ドイチェス・エック、ドイツの角)と呼ばれているのでありますよ。
まあ、ここで下車したのも列車の乗り換えのため。
いよいよライン川から反れてモーゼル川沿いに西へ、少しはパリに近付くだろうと思ったわけで。
モーゼル川一帯もワインで有名ですけれど、
リューデスハイム同様に冬場はオフシーズンであるせいか、
進めば進むほど川幅も狭くなり、さびしい印象が増してくるのですな。
そこで、この先どこで宿泊しようかと考えたときに、
ユースホステルがあるなら最悪そこでなんとかなろうと下車したのが
コッヘムという町でありました。
これまた行き会う人のほとんどない小さな町を歩いて、
見かけたホテルはほとんど閉まっているようす。
やっていそうなところの一、二軒で「空いてますか」と聞くと、
どうやら不可であるとなって(看板を掲げていても、オフシーズンはクローズだったり…)、
足を向けたのはユースホステルでありました。
スイスのグリンデルワルト
でもユースを利用したですが、スキーの時季だけに満杯状態。
それが頭に残っていたので、ユース利用を後回しにしてきたものの、
この際否やはなしということで。
まあ、ぶどう、ワインのオフシーズンで、スキー場があるわけでもないことからすれば
空いている予想が立ちそうなものですが、訪ねてみれば予想を上回ってがら空き。
というより、その晩に宿泊したは自分たった一人だけだったのですね。
かなり広く、たくさんベッドが入ったドミトリーに一人きりというのは、
根が怖がりだものですから、結構怖かったなあという思い出が。
ペアレントのおっさんが気のいい人で、立ち去るときには
「がんばれよ」的なドイツ語が一声降ってくると同時に、ぼんと肩を叩かれて送り出されました。
これもいい思い出でありますよ。
コッヘムの町にも高台にお城があって、上ってみるとまたいい気分。
ビンゲンのクロップ城からラインを見下ろして、まだ1日しか経ってなかったですが、
気分的に帰り支度に入りつつあったせいか、コッヘムの町とモーゼル渓谷を見下ろしながら、
「もう少しで終わりかぁ…」といささかセンチメンタルな気分にもなったのでありました。