ここまでは(正田記念館製粉ミュージアム を除いて)

もっぱら館林駅の東側を見て回っていたですが、今度は西側に足を向けることに。


これもちいとばかしの遠出になりますので、と言いますのも目指すは群馬県立館林美術館 で、
前回(2013年12月)に足利 を巡った帰りがけに立ち寄りましたときには、
多々良駅(館林のひとつ足利寄り)前でポンチャリ (館林市の無料レンタサイクル)を借りて行ったのが、
今回は館林から直接ポンチャリでアプローチしようと思っていたからでして。


電車でひと駅、多々良まで行った方が断然に距離は短くなる、
あるいは館林駅前から巡回バスがある(東京感覚では圧倒的に運行本数が少ない)

といったことはありますが、利便性では直接自転車が何より。

幸いにしてお天気もよかったですしね。


前日よりも少々グレードアップした自転車を借りられたこともあって
前途洋洋たるで気分でペダルをこぎだしたものでありますよ。
しかし!好事魔多しというべきでしょうか。


快調に進んでいると思っていたのが、全くの方向違い、
西へ西へと向かうはずが、南へ南へと向かっていたのでありました。


と、ここで何故にそうした事態に立ち至ったかを説明したところでどなたの役にも立ちませんが、
自ら教訓とするためにはちと分析(とは大袈裟な…)しておこうと思いまして。


先に観光案内所でもらったアバウトな地図によれば、館林駅東口を出発して一旦は北へ向かい、
東武鉄道の連続する2箇所の踏切を渡りひたすら西へ…というのが、ざっくりとしたコース取り。

ここで肝心なのが、館林駅の北側で東武佐野線、東武伊勢崎線、
そして東武小泉線と三線に分かれることなんですね。


本来目した渡るべき踏切は佐野線と伊勢崎線の2つだったんですが、
一旦北へ向かうもあまりに手前で踏切を渡ってしまったために、
未だ佐野線と伊勢崎線が分かれておらず、これをひとつと数えて、
全く渡る必要のなかった小泉線の踏切を二つ目に数えてしまった…

これが何よりの敗因だったという。


東武小泉線は館林駅を出た後、大きくカーブしながら西へ走る路線ですので、
これを渡ってしまうと向きは自ずと南になってしまう。
これに気付かず、ひた走り、そのまま行ってしまっていたら、
まだかまだかのうちに利根川を渡って、埼玉県に入ってしまうところでありました。


ですが、「おやぁ…」と思いましたのは沿道を見て「なんだか見た景色だな…」ということ。
左手にこんもり小山のようなものが現れるに及んで、「これは?!」と。


予めだいたいのプランニングの段階では、
ひとつだけポツリと方向違いなだけに時間に余裕があったら行ってみようかなと思い、
どんなところだかちと辺りをグーグルのストリートビューで覗いておったがために
何やら見覚えがある…と思ってしまったわけでして、たどり着いたのは富士嶽神社でありました。
(たどり着いてしまったというのが、正しいのですけれど)


富士嶽神社@館林


要するに富士塚なのですが、神社に併設された富士塚というより
富士塚そのものが神社になっており、鳥居にもしっかり「富士山」と出ています。


富士塚の一合目


石段の登り口には「一合目」と書かれた石柱があり、富士山登頂疑似体験気分たっぷり。
頂上に到達すれば見晴らしもよく…と、どうも住宅の屋根しか見えないようではありますが、
(写真では分からないものの)北の方角だもので日光の男体山が望めておりましたですよ。


男体山が見えているはずなんですが…


ということで、思わぬ寄り道をしてしまったものの、いささかの興味ある場所に到達し、
またはっきりと自分の居場所が分かりましたので、気を取り直して一路、美術館へ。


頓珍漢な方向へ余分に走った分を取り返すために結構な運動をすることになりましたが、
ここまでくればもうまもなくと思われる多々良沼までやってきました。


多々良沼


かつて冬場には白鳥の飛来地であったらしいのですけれど、白鳥も気まぐれですから(?)
今はすぐお隣の邑楽町にあるガバ沼とやらに大挙やってくるのだとか。


多々良沼の白鳥


気にはなったですが、もはや3月半ばでしたし、足を伸ばして空振りというのもなんですから、
多々良沼でゆうゆうと水面をわたる一羽を見かけたことで良しということに。


群馬県立館林美術館へと続く道


ということで、この先の建物が群馬県立館林美術館。
思わぬ苦難に遭遇したものの、なんとか到着であります。
それにしても、周りに何にも無いでしょう…。