コペンハーゲンと言えば!という観光名所に次ぐ場所としながら、
チボリ公園
の方へ先に行ってしまいましたけれど、
一夜明けてようやくコペンハーゲンの市内観光。
やっぱり最初には「コペンハーゲンと言えば!」である「人魚
姫の像」にご対面を試みようかと。
ちなみに日本語ではアンデルセン童話の邦訳から「人魚姫」と呼ばれますが、
デンマーク語では「Den lille Havfrue」、英語に直訳して「The little mermaid」。
ディズニー映画などでは「リトル・マーメイド」とカタカナ表記されていて、
これは「ディズニーが映画にするのにこういうタイトルにしたのだな」と思ってたんですが、
これが正式名称なんですなあ。
しかし、那須から塩原へ
向かう途中で立ち寄った「乙女の滝
」が中国語では
「少女瀑布」となっていたのに「え?」と思いましたが、
「人魚姫」の方は中国語で「小美人魚」というのですなあ。やっぱりちょっと違う…。
と、それはともかく、像の置かれた場所は町外れの海っぺり。
そんな場所ですので交通至便とは行きませんが、
とりあえずØsterport st.(エスターポート駅)から途中カステレット要塞を通り抜けて、
ぶらぶら歩いていくことにしたのですね。
左上の丸印が駅の出口で右上の楕円が人魚姫の像のあるところ、
そしてその間を遮るような雪印マークがカステレット要塞であります。
クロンボー城
よりも小ぶりであるのは、
特段王様が住まうわけでもなく(何しろ近くに宮殿がたくさんありますし)、
すぐ裏手に控えるコペンハーゲン市街に対する海の守りとして、
それこそ要塞に特化されたものなのでしょう。
地図を見ておわかりのとおり、リトル・マーメイドへの道は
本当なら要塞の北側迂回していくのが最短ルートでしょうけれど、
要塞の張り出し部分は同然に大砲が備えられていたはずの高台になりますので、
眺めが良かろうと登って縁を歩いたと、こういうわけです。
必ずしも良い眺めとまでは言えませんでしたが、
デンマークらしいと思しきものが見えましたですよ。
風力発電用の風車が並んでいる。
コペンハーゲンのあるシェラン島の南、ドイツと向かい合わせにあるロラン島では
一切の電力を風力発電で賄っているといった話もありますし、
他のエリアでもやはり相当に風力発電に頼むところ大なのではないかと。
とまあ、かなり長い前置きをしつつ(たどり着くまで歩いた距離感を想像していただけるかと)、
たどり着いてみれば、黒山の人だかりという状況。
大型観光バスが次から次へと到着しては、
大勢の観光客を吐き出しているのですから、当然ですね。
像を前にして皆が皆、写真を撮っていきますから、
どの角度でどのように撮りたいだのと考えている間もないわけでして、
辛うじて収めた一枚がこんなふうに後ろ姿。
ですが、その甲斐あって、脚の部分がよく見えますので、
ちとクローズアップしてみましょう。
話には聞いてましたけれど、
人魚姫と言いながら腰から下が尾ひれではなくって「こりゃ、脚だ!」と。
アンデルセンの童話では確か15歳になるのを待って(待たされて)
ようやく海の上の世界を見に行けたはずですから、
当然に15歳のはずですが、それにしてはちと大人びているような気も。
悲恋のなせる業なんですかねえ。
ですが、これは「デンマークの15歳はこんなです!」と言われると
「さもありなむ」かもなのですけれど(笑)。
ところで、この人魚姫とのご対面をもって「世界三大がっかり」を全て見たことになるのですが、
人魚姫のほかの二つはご存じのとおり、シンガポールのマーライオンとブリュッセルの小便小僧。
個人的な感想で言えば、どれにもさほど期待していない分がっかりするほどでもないという印象でしょうか。
ただ、中でも人魚姫は言わば最もロマンティックなものなので、
例えば王子さまとの邂逅が偲ばれるような場所ならばいざ知らず、ちと場所的にはがっかりを誘うかなぁと。
作られた当時とはずいぶんと周囲の景色は変わったのではありましょうけれど。
と、いささか冷静な分析?をしつつ、像を取り巻く喧騒から抜け出し、
上の地図では右下の丸印のところから水上バスに乗るべく移動を開始したのでありました。