かつて杉並区の阿佐ヶ谷に住んでいたことがあるのですけれど、
JR阿佐谷駅から南にアーケードが続くパールセンターという商店街で
夏になると毎年恒例「七夕祭り」というのが開催されていました(って、今でもやってると思いますが)。
時期が近づくと、あちらでもこちらでも商店の人たちがそれぞれに趣向を凝らした飾りものを制作し、
朝の通勤時に通りかかると日々「進んでおるな」と思ったものであります。
子供を意識してどらえもんを象ったものなども多かったような。
こうした「七夕祭り」はたぶん全国区的には仙台が有名で、
関東地方でも平塚あたりもかなり有名かと。
ですが、考えてみれば「七夕祭り」、「七夕飾り」のそもそもは7月7日の節句によるわけで、
どこでどんなふうに展開してもいいお祭りでありましょう。
一方、阿佐ヶ谷のお隣、高円寺では夏の終わりにこれまた毎年恒例の「阿波踊り」があるのですね。
が、近所にいたわりに、こちらには一度も出向いたことがありません。
だって「阿波」踊りなんですよ。
それを高円寺で・・・?
本来的には地域文化に根差した「祭礼」だったのでしょうけれど、
今では商店街のイベントになっているわけですね。
ですから、阿佐ヶ谷で七夕祭り、高円寺で阿波踊りなら
中野で竿灯、荻窪で祇園祭、西荻ではおわら風の盆、吉祥寺で意表をついて相馬野馬追とか…
あったっていいんじゃないと反語的に考えておったという。
そうした妄想はともかく、思わぬところで「ねぶた」をやっておりましたねえ。
立川の、しかも繁華な駅前のあたりとはずいぶんと趣の異なる地味に離れた商店街で。
(羽衣商店街のみなさま、失礼いたしました。が、事実ではないかと)
住まいから近いので、毎年やっていることは知っていたですが、
やはり一度も足を運んだことがない。
青森ねぶたを直に見たことがないので想像まじりですが、
あの山車はそうとうに大きかろうにも関わらず、
こちらは会場となる場所をよおく知っているだけに「あそこでやるの?」と。
ですが、たまたま見ていたローカル・ニュース(東京でもケーブルでやってます)で、
どうやら青森のを持ってきているらしい…てなことが囁かれたものですから、
「んじゃ、かなりでっかいのか?」とやおら覗きに行ってしまったのでありますよ。
すると…やっぱり「ん~!」。
でもですね、写真にしてクローズアップしてしまうと、結構見られるかもですよ。
自治会だ、町会だ、商店街振興組合だと、あえてローカル色を出したままにしてありますが、
よおく考えてみれば(考えなくても)やっぱりイベントですね。
そういうふうに割り切ってみるものなのでしょう。
こう思えば、日頃はなんつうことなく行きすぎてしまう通りに、
「なるほど商店街なのねえ、確かにお店があるわいな」と認識を新たにするところですし、
何よりこのときとばかりに力こぶ!を出してみせるお店の人たちの生き生きぶりは
地域活性化の特効薬でもあったのでしょう。
こうしたイベントで盛り上げないと、商店の存在すら忘れられて
自ずと大規模店舗に客は吸収され、シャッター通りと化してしまうのでしょうから。
ま、実際に出向いて幾分肯定的に受け止めることができたとは思うものの、
毎年は見に行かんだろうなあ。
何より人ごみが苦手だものですから(笑)。