昨日の「夢の扉+」を見ていて、ぶったまげてしまいましたですよ。
名付けて「グリーン・フロート」というプロジェクト。
いやはや凄いことを思いつく方がおいでですなあ。
赤道直下の洋上に直径3キロの浮島を作り、その上に高さ1000mの塔を建てる。
塔の上部は居住空間になっており、赤道直下とはいえ高度がありますから、
年間通じて気温が26~28度くらいとほどほど。
塔の下層には野菜を水耕栽培する工場が、そして浮島の等以外の部分は農耕地に充てられる。
洋上ですから魚は取れますし、この浮島は自給自足をも目標にしているのだとか。
有機的な廃棄物は海の浄化作用に期待されるところもあるのでしょうけれど、
それが魚を呼び、育てることにもなるようです。
で、海の上に孤立した島で電気は?となりますが、
宇宙太陽光発電とやらで作りだした電気をマイクロ波で伝送するという。
さらに浮島の材料としては海から(無尽蔵に)とれるマグネシウムを使った新合金で、
溶かせば再利用が可能とも言います。
で、こうした人工島の使い途ですが、
地球温暖化の影響か、海面上昇の続くなか水没の危機に瀕しているキリバスの人々などに
提供することになるんでしょうか。
番組ではキリバスにプレゼン?に出向く様子を映していました。
太平洋上の環礁の国キリバスはフィジーに大きな土地を買ったり、
大統領が「全員移住」と発言したりと状況は深刻なのでしょうから、
「グリーン・フロート」もオプションのひとつと受け止められたようです。
こうしたキリバスやツバルなどの様子からすれば、「なんとかせねば」との思いから、
今そこにある危機に対応(対抗)するには対症療法も必要なわけですね。
ですが、そもそも「対症療法」という言葉は単純に「症状に対応した治療法」というだけの意味ながら、
穿ってみれば「根本的な治療にはなっていない」ということも言外に伝えてしまいますですね。
個人的に使うのも、そうした意味含みでありますが。
だからといって、大元が地球温暖化にあるとして、そっちを直さんと始まらないではないか…
などと言い出すわけではなく、これはこれで考えられなくてはならんのことでしょう。
ですから、キリバスやツバルの現実を無視しているかのようなもの言いになっても
根本的な部分のお話と思っていただければと思いますが、それは
どうして人間はこうまでしないといけないことになってしまったんですかね…
という疑問を呈することなんですね。
「自然の中には奇妙な生き物がいっぱい 」と書いたところでも触れましたけれど、
やっぱり人間はどうにも自然と共生できない生き物になってしまっているようですね。
自分たちが生きて行くために、他の動物にはない(他の動物とは異なる?)能力を使って
経済や社会のシステムを人間は作り出しましたけれど、
どうも作りだしたものに縛られているような気がしないでもないですね。
それだけに(必要な対症療法まで否定するものではありませんが)
やっぱり根っこのところを見据えて考えることの必要性を感じずにはいられないのでありますよ。