久しぶりにDVDでジム・キャリーの映画「マスク」を見たのですけれど、
前に見たときには気付かなかったといいますか、気にかけていなかったといいますか、
そうしたことにいろいろと気が付くものでありますね。


マスク [DVD]/ジム・キャリー,キャメロン・ディアス,ピーター・リガート


例えばですけれど、

最初のクレジットタイトルの中に「Introducing Cameron Diaz」という部分を発見。
そうか、キャメロン・ディアス はこの映画で世に出たのであったかと。


そう思ってみると、なんだか目のあたりにぼんやり感があって、
ハリウッド・スターとしてのきらめきのようなものはきっとその後のことなのだろうなぁと思ったり。

まあ、メグ・ライアンにも当初そんな感じがあったなあと思い出します。


そういう一方で主演のジム・キャリーにしても、

スタンドアップ・コメディアンとしての活躍はあったにせよ、
映画ではいずれも1994年制作の「エース・ベンチュラ」、「マスク」、

「ジム・キャリーはMr.ダマー」の3本で主演の座を不動のものにしたようでありますね。


で、そのジム・キャリー演じるところの、しがない銀行員スタンリー・イプキスですが、
どうやら「ルーニー・テューンズ」がお気に入りのようす。
職場の机の引き出しを開けたときに、雑誌でしょうか、

ちらりと「Looney Tunes」の文字が見えます。


そして、帰宅してTVを点けるとそこに映るのはやはり「Looney Tunes」の一編。
おそらくはTV放送ではなくビデオなんでしょう。
馬の合わない大家のおばあさんからは「アニメがうるさい!」と怒鳴られるところもを見ても、
繰り返し「Looney Tunes」のビデオを見ているのだろうと想像されもします。


さらには、マスクをかぶったときに見せる竜巻のようにぐるぐる回る動きは、
このように「Looney Tunes」好きな主人公であることが分かったからには
タズマニアン・デビルから来てるんだなとあらためて思い至るのでありますよ。


こんなところから、

この映画はワーナー制作だったのかな(「Looney Tunes」がワーナーだからですが)と
思ったところがそうではないのでして、「Looney Tunes」絡みのことは

きっと映画に込めた小ネタなのでしょう。


となると、小ネタは他にも見受けられると考えるのが自然(?)でして、これまた気付いてみれば、

マスクで変身したスタンリーが時々呟くセリフが「何か妙だな…」と思うのも当然、
「風と共に去りぬ」や「ダーティー・ハリー」からの借り物だったりするのですね。

「風とも」ははっきり気が付きましたけれど、

「ダーティー・ハリー」の方はおや?と思った検索結果ではありますが…。


ところで、気付いたことのもう一つは「マスク」そのもののこと。
映画の冒頭、架空の町であるエッジ・シティが面した海の底で
おそらくは難破船か何かのお宝引き揚げでもやっていたところが、
トラブルがあってお宝?の箱が開いてしまい、

中にあった「マスク」はゆらゆらと海面へ(木製ですから)。


これをスタンリーが発見するということになるわけですが、

どうも超自然的な力を持ったマスクらしい。
その謎解きとして映画の中では、北欧神話との関係が示唆されるのですね。


何でも北欧神話に登場するロキという悪戯好きの神が、悪ふざけが過ぎたのか、
懲らしめにあって(主神オーディンからでしょうか?)このマスクに封じ込められてしまったのだと。

ですから、このマスクを付けた人物は(途中で、スタンリーの犬もかぶって大活躍しますが)

ロキの化身として、自らの欲望を強調する形でいくらでも悪ふざけがでてきしまうようになる…

といった設定のようです。


本当の北欧神話にはロキが仮面に封じ込められてしまうといった話は無いようですので、

映画の自由な設定なのでしょうけれど、むしろ注目すべきはこのマスクが

アメリカと思しき町(映画では架空の町ですが)に近い海の底からにあったということでしょうか。
しかも、古い時代に難破した船の積み荷であったような箱の中で長らく眠っていたと。


ここいらのエピソードは、ちょっと前にテンプル騎士団 のところで触れましたように、
コロンブスのアメリカ大陸到達以前にヴァイキングが辿りついていたこととの絡みを窺わせます。
(テンプル騎士団はヴァイキングが拓いた海上ルートに乗って、アメリカに到達していたという話)


北欧神話の神に関わるマスクが何故ここに?ということへの答えは、
ヴァイキングの船の積み荷に含まれていたからということになりましょうか。


…とWikiによれば、ヴァイキングがマスクをアメリカに持ってきたというような未公開シーンが
DVDの特典に入っているそうな(そこまでは気に止めてませんでしたが)。


何だかあれやこれやの断片ばかりの話ですが、とまれ、こんなことがありますと、
やっぱり映画も見る度に新鮮さを感じたり発見があったりということがあるのだなと

思いますですねえ。