…と、やおら発見した英会話テープの山 から早速ひとつ取り出して
聴いてみることにしたわけですが、それが「English on the road」というもの。
これは「ダイヤモンド・スチューデント友の会」というところが作ったものでして、
今でこそ旅行ガイドブック「地球の歩き方」は地球の歩き方編集室・編となっておりますが、
初期の「地球の歩き方」はこのダイヤモンド・スチューデント友の会・編だったのでありますよ。
この写真の頃ですね。
でもって、この「ダイヤモンド・スチューデント友の会」では旅行手配も手掛けていて、
往復の航空券と最初の滞在地のホテル、帰国便前夜滞在地のホテルだけがついて、
その間はどうぞご自由にあちこち回ってくださいというような中抜けのツアーを
ダイヤモンド・スチューデント・ツアー(通称:DST)として出してました。
それに乗っかって行った個人的な例を申し上げますと、
エール・フランスのパリ乗継で入ったロンドンで2泊分のホテルはついてました。
その後、おまけ的なワン・フライト(これはBAでしたなぁ)でローマへ飛んだ後は、
着いた日からその晩のホテル探しが始まって、観光とホテル探しに明け暮れながら
西欧(当時は厳然と東欧もありましたので)をぐるぐるした後、
帰る前の晩だけ手配されているパリのホテルに入り、
翌日パリからエール・フランスで成田に戻ってくるてな内容でありました。
ところで先の「English on the road」というテープ(小冊子付き)は
この中抜けツアー参加者がおまけとしてもらえるもので、その内容はといいますと、
ガイドブックの後ろの方によくある旅行英語のサンプル集みたいなものですね。
「入国審査で」とか「ホテルで」とか「鉄道の切符売り場で」とかいう場面の実例集。
これらが実際の旅の中で「ああ、助かった」と役立ったような記憶はないのですけれど、
改めてこのテープを聴いてみると時代を感じさせるといいますか。
旅とは関係ないですが、旅行者役の語り手がイミグレで「Momoe Yamaguchi」と名乗る。
時代のほどを推して知るべしでありましょう?
それはともかく、「地球の歩き方」の旅ってそうそう、こんなだったよなぁと。
まずホテルで空き室を尋ねるわけですが、まずもって今でも予約無しの飛び込みで
ホテル探しをするという旅行者はたぶん往時に比べると減ってるんでしょうねえ。
とまれ、空き室があれば値段を聞くことになりますが、
そうした会話例が載っているのですね。
A : How much is the room?
B : Fifteen dollars a night.
A : Do you have a less expensive room?
B : Yes. We have a room without a bath for 13 dollars.
A : I'll take it.
15ドルのルームレイトが提示されたことに対して、
「も少し高くない部屋はありますか?」と聞く会話例。
さすがに往時の「地球の歩き方」ではありませんか。
ここら辺が貧乏旅行を象徴するところになりますけれど、
あまりその部分だけに注目してしまうと思わぬ勘違いとなりまして、
旅の目的が「どれだけ安くあげてきたか」になってしまうようなケースもあったようですね。
個人的にはさすがに最低限を探るということはしませんでしたけれど、
先のヨーロッパ行きから2~3年後にアメリカ西海岸に行きましたときには
サンフランシスコで1泊朝食付き17ドルというホテルには泊まったことがあります。
朝食と言ってもトーストのみ、当然シャワーは共同というもので、
同じサンフランシスコで1泊35ドル(正直に言うと当時の感覚としては高いと思った)の
別のホテルに泊まったときには夢のように広くきれいなホテルだと思ったものです。
というぐあいに昔々の旅のようすがふいに脳裏に甦ってきてしまいましたですね。
すでにひと昔どころかふた昔以上も前のことだったりもしますので
記憶もまだらになっており…というよりだからこそ、
覚えているところだけでも書き残しておこうかなと思ったり。
以前のブログでもこと細かには記してませんでしたし。
まあ、今さら他の方の旅の参考になるようなものではありませんけれど、
これも機会ですから、思い出せるところだけでも最初の欧州行のことから少しずつ
残していくとしますかね、自分のために…。