TV朝日の「奇跡の地球物語」を見ておりまして、「ふ~ん、そうだったのか…」と。
極めて恥ずかしながらのお話になるのですが、齢重ねて何十年、
知らないことはたくさんありますですなぁ。
今回のお題は「日本茶~香り高き叡智の一滴~」というもの。
要するに「お茶」の話でありますねが、まずもって「え?!」と思いましたのが、こういうくだり。
世界には様々なお茶が存在するが、お茶が全て同じお茶の葉から作られていることをご存じだろうか?すべての基はツバキ科ツバキ属のチャの樹。チャの樹の発祥は中国雲南省といわれ、そこから世界へ広がっていった…。
お茶は全て同じお茶の葉?
元々の木に何かしらの種類があるわけでなく?
日本茶、烏龍茶、紅茶…といったものが、同根であることは知っておりましたから、
そうした「世界のお茶」の違いでの驚きというわけではないのですね。
むしろ日本茶の「玉露」といった独自のネーミングのあるものは
そもそも木の種類が違うのかなと思っていところが、どうやらそうではないらしい。
林檎の「紅玉」と「富士」が同じ木から実ることがないように、
お茶もそうした違いがあって、例えば「玉露」というお茶ができる木というのが
あるのかと思っていたのですが、どうやら栽培法の違いでもって「玉露」を作り上げるそうな。
お茶畑というとお日様をしっかり受け止める斜面に段々と広がっている印象がありますけれど、
どうやら「玉露」はお日様を遮ることが必要なんだそうです。
最近よく聞くカテキンという成分がお茶には含まれていて、
苦み走ったすっきり感はここから生まれるようですが、
お茶の葉にはもともとテアニン(いかにもTeaっぽいですな)というアミノ酸があるのだとか。
このテアニンはある種の旨味成分だそうですが、
これがさんさんと降り注ぐ陽光のもとでカテキンに変化するという。
こうしてできたものがカテキンいっぱいの普通のお茶になる一方で、
栽培の途中で紗をかけて陽光を遮るとテアニンがたくさん残ることになる…
この旨味成分を残したものが「玉露」なのだそうで。
番組では「玉露」と呼ばれることになるお茶の葉を丹念に手もみする様子が紹介されてまして、
ただ見てるだけだと何だか誰にでもできそうな気がしてしまいましたけれど、
最終的に出来上がった「玉露」に湯を注いでみたときの葉の様子に「!」。
いたずらに力を入れて紙縒りのようなものを作っていたわけではなかったのだなと。
手もみで細長くなった茶葉が湯につかって、ふんわりとほぐれ開いていくさま。
こうしたことは普段使いの安いお茶ではお目にかかれるものではないなと思うところありますよ。
栽培もその後の手間暇も、なるほど値段が高いのもむべなるかなと。
ところで、あんまり驚かなかった「世界のお茶」の方にも少し触れておきますかね。
お茶の葉は摘んだとたんに発酵が始まる珍しい植物なのだそうですが、
初期段階で葉を蒸して発酵を止めてしまうのが日本茶、
もそっと発酵を進めたものが烏龍茶、そして完全に発酵したものが紅茶になるのだと。
昔、中国からお茶を積み込んだ船がヨーロッパに辿りついたときにはすっかり様変わりしていた。発酵が進んだ結果だが、こうして紅茶はうっかり?できた…
てな話を世界史の授業か何かの合間に聞いた気がしますですね。
と、ここで気が付くのは
輸入するほど欲しいものなら栽培してしまえばいいのにと思うところですが、
上の引用にもありますとおり原産が中国・雲南省ということですから、
あったかい(暑い?)ところに育つものなのでしょうね。
Wikiによればイギリスのウェールズあたり(緯度的には北海道より北ですね)でも
栽培されるようになっているらしいのですけれど、ここで収穫されるお茶は
やっぱり全部を完全発酵させた「紅茶」にしてしまうのですかね。
日本茶、緑茶、グリーン・ティー…なんというかは別として、
ウェールズに行くと「よく来たね」とかいって湯呑みにお茶が出てきたりしたら、
面白いというか驚きというか…。
お茶の話でありました。