たまたま子供たちが駆け回って遊ぶんでいるという姿を見かけ、

個人的には「あんまり見かけなくなった光景のように思われたものですから、

通り過ぎざま、子供たちの方に向かってやさしい視線を投げかけている方に

「にぎやかですねえ」と声を掛けてみますと

「どろけい、やってるみたいですよ」と。


すれ違いざまでしたのでそのまま行き過ぎたのですけれど、

頭の中では「?」が渦巻いておりました。
聞き違いでなれば、確かに「どろけい」と言っていた…

その「どろけい」とは果たしてなんぞ?というわけです。


ただ、子供が駆け回っている遊びを称して「どろけい」というのなら、

語感から言っておそらくは「どろぼう(泥棒)」と「けいかん(警官)」の役に分かれてやる

鬼ごっこのようなものであろうと思い当たりました。

ですが「待てよ!」と。自分たちが子供の頃にも似たような遊びがあって
(といっても、その子供たちの遊びと全く同じものなのかは不明ですが…)
その頃は「悪漢探偵」と称していたのではなかったか。


要するに「どろけい」で言うところの「泥棒」が「悪漢」であり、

「警官」が「探偵」という役名であったなと。


とまあ、こうしたことを思いついたものですから、

年代的に近しいのではないかと思われる同僚2名に聞いてみたところ、
いずれも「あっかん?どういう字?」と聞き返されてしまいました。


子供の遊びというのも地域限定みたいなところもありますから、

全てが全国区というわけではないでしょうけれど、
ここでまた思うのが「あっかん=悪漢」というのがもしかしたら死語なのかもねえ…ということ。


確かに最近耳にする言葉ではないというばかりか、

「悪漢」の語感はむしろノスタルジーさえ感じさせるような。
それこそ「月光仮面」とか「少年ジェット」とかに出てきそうな感じ。


「月光仮面」はわりと有名なのではと思いますが、「少年ジェット」はどうでしょう。
「ミラクルボイス」という声を武器にして「う~や~、タ~!!!!!」と叫ぶだけ

敵を倒してしまう。笑い話ではないんですよ。


…と、またまた昔話に突入しかけておりますが、

子供の遊びは呼び方に変化はあっても受け継がれているのではないかと。

しばらく前にも電車の中で、小学生くらいの女の子がお母さんを相手に

「ぐーから、ぐーから、パーカラ」てなことを言いながらグーチョキパーを出して遊んでいる姿に

「おお、あれは!グンカン、グンカン、ハワイ!ではないか?!」と思ったものですから。


世に伝統技巧や伝承行事の後継者不足が言われるようになってますけれど、

手を変え品を変え呼び名を変えて受け継がれている子供の遊びを

さらに受け継ぐ後継者も少なくなっているのであるなぁ…と気付いたのでありました。


もっとも、ここでは「昔に比べると子供の絶対数が減った」とは言っても、

「少子化対策」云々の話に立ち入ろうとは思いませんけれど…。