新型コロナウイルス〜診療所医師の思うところ Part2〜 | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

お訪ねいただきありがとうございます。

 
私は自治医科大学を卒業し、現在人口700人ほどの村にある診療所で、村唯一の医師として勤務しています。
 
今日は大学入試の前期試験の日ですね。
 
受験生には頑張って欲しいです。
 
「ふーみん」(wakkatteTVの)も東大受験受かるのかな?
 
センター試験は9割超えてたみたいですし、合格できる可能性は十分あると思うので、京大合格に引き続き東大合格も勝ち取って欲しいですね。
(ふーみんの学歴至上主義みたいな考え方はあんまり好きではないですが、受験生としての姿は応援してます。)
 
さて、話は変わりますが

新型コロナウイルスどうなるんですかね?

 
このまま収束していかないと、東京オリンピックの開催もかなり危ない、その段階まで来ている気はします。
私も何度も応募して、先日ようやくチケットが当たったので、絶対に中止にはなって欲しくないというのが本音です。
 
今回の新型コロナウイルスに関して、一診療所の医者として意見を言わせてもらうと、とにかく政府の対応が悪い、国が主導して感染防御対策しなきゃいけないのに、それができておらず、全て現場の人間の判断を丸投げしすぎである、というのが正直な感想です。
 
「37.5度以上の発熱が持続する」というしばりも、結局高齢者などの病状をより重症化させる原因になっている気がします。
 
先日ニュースでみた患者さんは、2月初旬にクルーズ船内で37.3度の発熱があるも、37.5度以上の発熱ではないからという理由で検査対象外とされました。
しかしその数日後に38度台の発熱が持続するようになり、ようやく検査され、新型コロナウイルスの陽性が確認、しかしその時には既に肺炎を合併していて、病院に入院となりましたが、現在人工呼吸器が装着され、重篤な状態とのことでした。
 
最初に発熱してから、病院で治療が受けられるまで一週間以上経過していました。
 
確かに新型コロナウイルスに対する直接的な治療法はないかもしれません。
でもこの患者さんの場合、もう2日か3日早く入院できていれば、脱水や栄養状態の改善、二次感染の予防、必要に応じ酸素吸入など、出来ることは色々あったように思います。
 
「37.5度しばり」のせいで検査が遅れ、より重症化してしまった、そういった患者さんも少なからずいらっしゃるような気がしています。
 
クルーズ船を封鎖することで、内部の方を危険に晒しているのだから、せめてクルーズ船の内部の方には新型コロナウイルスの検査であったり、必要な診察であったりを優先して、手厚く受けられるような体制にしてあげるべきと思います。
 
また現在、20代の方でも重症になっている患者さんがいるとニュースで聞きました。
 
当初、若い方がかかっても、風邪くらいの症状で自然と治まってくるみたいな報道が多かったように思います。
 
今の政府の会見であったり対応を見ていると、どれも希望的観測に基づいて対策を練っていて、どこか楽観的というか、最悪の事態を想定して動いていない、そういった印象を受けます。
 
そのことで感染拡大に拍車がかかっているような気もするので、こういった非常事態だからこそ日本政府が毅然とした態度で、多少やりすぎくらいでもいいと思うから、きっちりと感染防御に基づいた対応をして欲しいとそう思ってます。
 
ではでは