第114回医師国家試験の感想 | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

お訪ねいただきありがとうございます。

 

私は自治医科大学を卒業し、現在人口700人ほどの村にある診療所で、村唯一の医師として勤務しています。

 

昨日、一昨日が医師国家試験でした。

 

とりあえず受験を終えた医学部6年生には、研修医として働くまでの2ヵ月弱、人生において最後の長期休みになるかもしれないと思って、思いっきり楽しんでもらえたらなぁと思います。

 

早速ですが、私の専門の神経内科の分野と、他数問だけチェックしました。

 

難しい問題が多かったですね。

 

キーワードだけ見たら反射的に解ける、そんな問題が減ってきてるんだろうなぁと思います。

 

今回気になった問題を数問だけ取り上げてみたいと思います。

 

 

医師国家試験の第1問目の問題ですが、これは間違えないで欲しいですね。

エピペンをイメージできたら、アドレナリンの筋肉注射ってわかると思います。
アドレナリン静脈注射したら、本当に危険です。
例え研修医でも、もし投与経路を間違えたりしたら責任はかなり問われると思うので、この問題を間違えること自体が禁忌肢みたいに思って欲しいですね。
 
 
これは行動障害型前頭側頭型認知症の症例ですね。以下が診断基準です。
 

A~Fの症状のうちの3項目以上を満たすことが診断基準となります。
Fに遂行機能障害とあるので、cが正解となります。
学生にはちょっと難しい問題かもしれませんね。
 
遂行機能障害とは言語、記憶、行為など一定の独立性を持った高次脳機能が保たれているのにも関わらず、それらを有効に活用できない状態(目標の設定、行為の計画、計画の実行、効果的な行動)です。
 
遂行機能の評価で一番よく行うのはFABですね。真面目に病棟実習でてたら、入院患者さん相手にFABの評価をしてるとことかも見る機会があるんじゃないかなぁとは思います。
 
一過性黒内障ですね。
一過性黒内障というのは、片方の眼動脈に血栓が詰まることで、片側の眼が見えなくなる状態です。数分から数十分で症状は自然と改善します。
 
眼動脈は内頸動脈から分岐します。

この一過性黒内障というのは、脳梗塞の前触れとなる危険なサインです。
 
一過性黒内障が疑われた場合、まず行うべき検査は頸動脈のチェックとなります。
→よってd 頸部の聴診となります。
 
 
暗いところでふらつく、起立閉眼で体幹の動揺→後索障害
腱反射低下→末梢神経障害
指鼻試験、膝踵試験異常なし→小脳失調はない
 
亜急性連合性脊髄変性症→ビタミンB12欠乏は明らかなんですが、他不足しているものってなると、めちゃくちゃ選ぶのが難しいと思いました。
 
ビタミンB12と葉酸はセットで色々障害をきたすイメージはあるので葉酸かと思いましたが、調べてみると銅欠乏の臨床像として、脊髄症、脊髄神経症として出現し、痙性や失調から歩行障害を来すみたいで、ビタミンB12欠乏の亜急性連合性脊髄変性症に類似した症状を呈するみたいですね。
全然知りませんでした。
 
とはいえこの問題は難しすぎるだろうって思いますね。
しかも必修で出すって…鬼ですね笑
でも削除問題になる気がします。難しすぎると思いますし。
 
以上4問だけピックアップしてみました。
 
私がブログで予想した進行性多層性白質脳症や抗Musk抗体陽性重症筋無力症の問題はどちらもでませんでした。
予想って難しいですね。
 
あと今年の国試の合格率は何パーセントになるんでしょうかね?
 
また私の母校の自治医科大学が、合格率全国1位を達成出来るかも気になるところです。
 
ではでは