お訪ねいただきありがとうございます。
明日、明後日が医師国家試験みたいですね。
「終わったら卒業旅行が待っている」、私の場合それだけを楽しみにして、この時期頑張っていたような気がします。
ということで、しばらく空いてしまいましたが、今回も医師国家試験の神経内科の分野、2018年分に関して書いていこうと思います。
今回はD,E,F問題に関してです。
今回も私なりの解釈を加えて、神経内科の分野の問題を振り返っています。
さっと見ただけなので、全部網羅できてないかもしれませんが、そこのところはご理解を。
(解いた印象で難易度もつけてみました。
1‐10の10段階評価でつけています。
1: 間違えたら絶対ダメ
3: まあ間違えない
5: 最低限の知識があれば間違えない
7:悩む、一癖ある
10:神経内科専門医レベル
という風に私なりの解釈に基づき評価してみました)
D問題
環指、小指を自力で伸ばせない
母指・示指・中指は伸展可能
橈骨神経麻痺の枝、後骨間神経麻痺でdrop finger 垂れ指を生じることはありますが、普通は指すべてが伸展できません。 また感覚障害がないということも、神経支配に一致しない症状である印象を受けます。
この時点で頸椎性脊髄症、橈骨神経麻痺では説明がつかないなあと分かると思います。
手根管症候群はもちろん違うし。
となると指伸筋腱断裂しか残らない、よって正解のdにたどり着けるかと思います。
(と画像なしでも正答にたどり着けます)
難易度:3
画像の提示のされ方からも、脳梗塞に伴う左側の感覚障害であることは分かると思います。
運動症状はほとんどなさそうで、純粋な感覚野のみの障害と分かります。
一次感覚野は中心後回、つまり中心溝の後ろに存在します。
中心溝の同定は神経内科医として臨床を行う上ではとても大事になります。
色々方法はあるのですが、代表的なものを述べたいと思います。
手の運動野は中心溝が形成する逆Ω構造の前方にみられる膨らみ(precentral knob)に存在するとされているので、precentral knob(中心前回の一部)がみつかれば中心溝も同定できます。
画像では綺麗なprecentral knobが見えているので、ここが中心溝と分かります。
つまりその後ろにあるのが中心後回、一次感覚野となり、その部分の梗塞巣を呈しているbの画像が正解となります。
難易度:6
E問題
これだけの情報じゃわかりません。というのが本当の答えですね。
もちろん糖尿病による神経障害かもしれないし、アルコールニューロパチーかもしれないし、CIDPかもしれないし。
食事が不規則で菓子パンやおにぎりを好んで食べていた・・・・・私の学生時代も、食事は不規則だったし、菓子パンやおにぎりとかは結構好んで食べていた気もしますが・・・・まあここからVitB1不足と勘づいてほしいということなのでしょう。納得はできませんが、答えはdと分かります。
難易度:3
働くと転院調整とか、退院関係のことで医療ソーシャルワーカーの方にはとてもお世話になるので覚えておいてほしいですね。
難易度:1
F問題
中脳黒質のドパミン神経細胞の変性により生じる疾患がパーキンソン病であることを知っていれば、中脳が映っているのはどの画像かというよりシンプルな問題に変換できます。
非常に親切だと思うのですが、a→eにかけ徐々に尾側に下がっている画像になっています。
b 側脳室レベル c 中脳レベル d 橋レベル e 延髄レベル となっています。
よって正解はcと分かります。
難易度:4
解説しようがないのですが、c 腸腰筋の筋力低下ですね。
常識的に考えてもわかるかと思います。
難易度:1
両下肢筋力低下と筋痛(→脳梗塞は否定的)、尿潜血陽性、尿中白血球は正常(尿路感染症ではなさそう)
これらすべてを満たす可能性があるのはd 横紋筋融解症しかないですね。
蒸し暑い部屋にいたなんかもヒントになるかと思います。
難易度:3
以上になります。
この3パートは7問中7問正解できました。
明日・明後日施行される2020年度の医師国家試験は何が出るんでしょうかね?
私的にはMusk抗体陽性重症筋無力症とか出るんじゃないかなあとか勝手に予想しています。
(Ach抗体と比較して、Musk抗体陽性例は、球麻痺を生じやすい、胸腺腫合併がない、クリーゼを起こしやすい、このくらい知っておけば十分かと思います)
もし当たったらちょっとうれしいですが、どうなるでしょうか?
いずれにせよ、医師国家試験にまず合格して、医者としての第一歩を踏み出してほしいと思います。
ではでは










