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再編病院名の公表に不満63% 「不安あおる」との批判集中
厚生労働省が昨年、診療実績などから再編・統合の議論が必要だとして424の公立・公的病院の名称を公表したことに、全自治体の63%に当たる1132自治体が「不満」「やや不満」と感じていることが1日、共同通信のアンケートで分かった。厚労省は議論を促す目的で公表したが、「病院がなくなるとの住民不安をあおった」との批判が集中した。一方、地域医療の見直しを進める政府方針には一定の理解が示された。
団塊世代が全員75歳以上となる2025年には医療費が急増する。このため政府は民間を含めた病院の再編・統合などの議論を促し、全国的に過剰となる病床(ベッド)数を減らす方針だ。
という内容の記事でした。
私もこの中の選択肢から選べとなったら「不満」を選びますねー。
公表した意図がよくわからないというのと、これだけ大々的に公表したのなら、その先に国として何かしら具体的な方針であったり対策を持っていないといけないと思うのですが、それが全くなく、ただ公表しただけというところに違和感というか、不満を感じます。
公表された病院の中には、患者の紹介などでよくお世話になっている病院もありました。
もちろん再編・統合の影響で、その病院がなくなったりしたら、私としても困ると思います。
公表された病院の割合として、地域の中核病院が多くを占めてるのかなぁというのが私の印象です。
病院って難しくて、採算が取れない、非効率的だから閉院する、又は統合する、みたいなことは当然のことながら簡単には出来ません。
コンビニとかチェーン店であれば、採算が悪い店舗は閉店する、それで済む話でしょうが、病院の場合、やはりそうはいかないのです。
必ずその地域に住む方はいるし、その病院がなくなったらものすごく困る、場合によっては生きていくことすら難しい、そういった患者さんが必ず出てきます。
私の働く僻地診療所も採算とか効率で言ったらものすごく悪いと思います。
村の過疎化による人口減に伴い、患者数も年々減ってますし、診療所自体ももちろん赤字です。
でもだからといって、村唯一の診療所がなくなって大丈夫かといったら、もちろん答えはNoです。
村の多くの方が診療所を頼りにしています。
また最寄りの病院も20km以上離れた場所になるので、高齢の患者さんにはとてもじゃないですが定期的な通院はできません。
医療費を削減したい、再統合して医者や病床を出来るだけまとめたい、それにより過剰な病床を減らしたいというのが国の意図なのでしょうが、医療の世界はそう簡単な問題ではありません。
本当に医療に採算であったり、効率だけを求めたら、休日・夜間の救急診療なんてほとんどの病院がしなくなるだろうし、多くの医療機関が都市部に集中して、田舎の病院はほとんどなくなると思います。
診療実績が伴わない公立・公的病院を事前に通告することもなくいきなり公表して、かといって国として何か施策を推し進めるでもなく、公表した病院に対するアフターケアもない、今回の件は本当にただただ不安を煽っただけの行為だったように思います。
団塊世代が全員75歳以上となる2025年には医療費が急増する、だからなんとかしなきゃいけないという国の想いはわからないではないですが、具体的にどのようにして医療の効率化や医療費削減を推し進めていくか、またそれに伴い影響を受ける患者さんに対し、どのようにケアしていくか、そういった議論がまず大事であって、そこを抜きにしていきなり診療実績が伴わない公立・公的病院を発表するというのは、ちょっと乱暴なやり方なんじゃないかなぁというのが私の感想です。
ではでは
