僻地医療の「いいところ」と「わるいところ」を書いてみた Part7 | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

お訪ねいただきありがとうございます。

 

私は自治医科大学を卒業し、現在人口700人ほどの村にある診療所で、村唯一の医師として勤務しています。

 
ドクターX〜外科医・大門未知子
の第5話をみました。
面白かったです(^ ^)
 
今回ダンベル型神経鞘腫が出てきましたね。
私はこの病名は初めて聞きました。
 
調べてみると、「その神経の支配領域への放散痛を初発症状とすることが多い」とあるので、確かに岩下志麻演じる看護師のドン 春日局の症状と合致はしていそうですね。
 
今回もドクターXを見ていて気になった点を一つ。
 
今回は、背中に愛した夫の名前が入れ墨として掘ってあり、それを隠し通すために、服の上からの診察と血液検査以外は全て拒否される患者 春日局の話でありました。
 
春日局が、術前カンファレンスに取り上げられた時、右側胸部痛の症状と血液検査でCRPが高値であったことから、ユースケ演じる潮先生は「帯状疱疹」、勝村政信演じる加地先生は「多発筋痛症」の可能性が高いと言っていました。それに対して清水ミチコ演じる浜地先生が「ステロイド+PPI投与を検討しましょう」と言いますが、さすがにこれは無理あるだろうって思いました。
(手術予定もないのに術前カンファレンスで取り上げていることにも少し違和感ありましたが…)
 
確かに検査がほとんど出来ない状態で診断するのは至難の技です。
 
ですが、帯状疱疹と言うなら絶対に皮疹の症状があるだろうし(もし直接皮膚を確認できなくても患者さんにチェックしてもらうとかはできるはず)、多発筋痛症なら症状が右側胸部に限局しているなんてことは絶対ないだろうって思います。
(多発筋痛症は首や肩、腰、太腿などの筋肉痛を来す病気なので…)
 
それで「ステロイド+PPIを検討しましょう」って何を根拠に???
って感じがめちゃくちゃしました( ̄∇ ̄)
 
まあドラマなんでそんなこと言うのも野暮な話ですが、やっぱり気にはなってしまいますね笑
 
職業病です( ̄∀ ̄)
 
 
さて、話は変わりますが、今回も僻地で働いていて感じる僻地医療の「いいところ」、「わるいところ」を一つずつ書かせていただきます。
今回は7つ目です。
 
 
いいところ⑦
学会や勉強会に参加しやすい。
 
よく僻地医療では、「学会や勉強会に参加できない、よって最新の知識も得られない。」みたいなことを言われたりしますが、私はそんなことはないと感じています。私が現在働いている僻地診療所は、ほとんどの日は5時15分で仕事を終われます。もし参加したい勉強会があるなどの理由で、その日は早めに診療所を出たいと、前もって申告していれば、外来を少し早めに終わらせてもらえるなど、わりと融通もききます。
また土日も当直はなく基本的に休みになるので、週末にある学会や勉強会も参加しやすいです。
 
前働いていた大学病院では、どれだけ仕事が早く終わっても19時過ぎまではかかっていました。
また月1-2回は土日の当直もありました。
 
もちろん僻地なので、その分移動に時間はかかりますが、出たい勉強会や学会に出れないといったことは実際のところほとんどありません。
 
むしろ大学病院で働いていた時の方が、急患対応や当直が入ったなどで、出たい学会や勉強会に出れなかったみたいなことが多かったように思います。
 
 
わるいところ ⑦
勉強会の案内がない
 
大学で勤務していた時は、一日に何度も、色んな製薬会社の方から声をかけられ、色々な勉強会に誘われましたが、僻地ではそれがないです。
製薬会社の方が来るのも月1回くらいです。
なので、特に自分の専門分野に関しては、自分でアンテナを張って、学会や勉強会の情報を集める必要があります。
ただ今は色々な医療サイトからWeb講演会が観れるので、そこまで不自由もしてないというのが正直な印象です。
 
と7回目の「いいところ」と「わるいところ」を書いてみました。
これからも僻地医療の「いいところ」と「わるいところ」を、思いついたものから一つずつ順番に書いていこうと思います。
 
あくまで私が働いていて感じた個人的な意見です。
もちろん日本全国には色んな僻地診療所があるので、うちはそんなことないよって思うようなことも出てくるかとは思いますが、そこのところはご了承下さい。
 
本日はこの辺で。
また次回は8つ目を書いていこうと思います。
 
ではでは