僻地医療の「いいところ」と「わるいところ」を書いてみた Part4 | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

お訪ねいただきありがとうございます。

 

私は自治医科大学を卒業し、現在人口700人ほどの村にある診療所で、村唯一の医師として勤務しています。

 
ドクターX〜外科医・大門未知子
の第二話を今日みました。
面白かったです(^ ^)
 
「AIの言うことは絶対です」ってどんな医者だよ笑!
と突っ込んでしまいました(*^_^*)
 
アミロイドーシスの患者さんの肝臓を移植してもいいのかなぁ?
と疑問になったのですが、調べてみると
 

●ドミノ肝移植について
家族性アミロイドーシス(FAP)患者さんの肝臓は、アミロイドとなるトランスサイレチンを作る以外、肝機能は正常であり、ドナーも不足しているため、FAP患者さんの肝移植のときに取り出した肝臓が重症の肝臓疾患の患者さんに移植されることがあります。これをドミノ肝移植といいます。ドミノ肝移植をうけた患者さんの一部に、手術後10年弱で、アミロイドーシスが生じ始めていますが、まだ初期であり、今後再肝移植が検討されることになります。

 
出来ない訳ではなさそうですね。
ドミノ移植、初めて知りました。
 
 
さて、話は変わりますが、今回も僻地で働いていて感じる僻地医療の「いいところ」、「わるいところ」を一つずつ書かせていただきます。
今回は4つ目です。
 
いいところ④
総合診療医、家庭医としての力がつく
 
総合診療の能力が要求される分、色々な疾患に対応できるだけの力がつきます。
膝が痛い人には関節注射したり、胃カメラや腹部・心臓のエコー検査をしたり、予防接種や学校検診、往診対応から在宅での看取りまで、僻地医療をしてると幅広く対応できるようになります。
僻地診療所は慢性疾患の患者さんが多いですが、心筋梗塞や気胸、脳梗塞など急を要する疾患の患者さんが受診することもあります。
それら疾患を正しく判断し、適切な病院に搬送する、こういった能力も経験を積みながら自然とついていくのかなぁと思います。
 
わるいところ ④
専門医としての力が伸びにくい
 
医者をしてると、自分の専門医としての能力を伸ばしたいという気持ちは、当然生まれるとは思います。例えば外科医であればオペしたいと思うだろうし、小児科医なら小児の診察をしたいと思う、これは当然のことだと思いますが、僻地診療所では十分にはできません。専門医の取得も遅れます。
私も専門とする科は持っていますが、僻地医療をしている間はやはりその分野の能力を伸ばしていくのは難しいです。
私の診療所は恵まれていて、週に1日、研修日という形で自分の専門科を勉強しに行く日をいただけていますが、やはり十分とは言えないです。
ただ僻地医療で、自分の専門分野の能力を活かしたり、逆に専門医として大学病院などで働いている際に、僻地医療で培った総合診療の能力を活かしたりと、これは出来るのかなーとは思います。
 
と4回目の「いいところ」と「わるいところ」を書いてみました。
これからも僻地医療の「いいところ」と「わるいところ」を、思いついたものから一つずつ順番に書いていこうと思います。
 
あくまで私が働いていて感じた個人的な意見です。
もちろん日本全国には色んな僻地診療所があるので、うちはそんなことないよって思うようなことも出てくるかとは思いますが、そこのところはご了承下さい。
 
本日はこの辺で。
また次回は5つ目を書いていこうと思います。
 
ではでは