僻地で働く医師として思うこと Part6 医者のいる島・いない島をみて① | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

私は人口700人程の村にある、村唯一の診療所ではたらいています。村には医師は私一人で、看護師2名、事務2名とともに日々村の医療を支えています。

 
昨日10月14日朝に「医者のいる島・いない島」という番組が、テレビ朝日で放送されていました。
沖縄の渡名喜島の先生、私より歳下の先生でしたが、本当いい先生ですね。
画面越しでも人柄の良さが伝わってきました。
 
僻地で医療してて思うこととして、もちろん医学的な知識であったり技量も大切だと思いますが、それよりも、人柄良さであったり、患者さんの訴えに対し、親身になって相談に乗ってあげられる優しさ、これが何よりも一番大切になるというか、求められているんじゃないかなぁと常々思います。
 
別にこれは僻地に限らず、開業医でも市中病院でも大学病院でも、どこでも大事なんですが。
 
ただこれはどこかで教えてもらうものではありません。そして何が正しいみたいな答えがあるわけでもないものです。だからとても難しい……
 
なかなか実践できている医者って少ないんじゃないかなぁというのが本心です。
 
私自身も、信頼される人柄か、患者さんの訴えに親身に耳を傾けられてるか? と聞かれると、不十分というか、うまく出来てるとはとても言えないです。日々勉強です。
 
医者の診察は、その医者の性格を反映しています。
 
人見知りの先生はあまり患者さんの方を見ずに話をするし、おしゃべり好きな先生は診察中も色々雑談とかするだろうし、ネガティブな先生はあまり励ますようなことは言ってくれず、検査結果の悪い側面を強調して説明しがちだし、論理的な先生は検査結果を論理的に説明して、その上でガイドラインに沿ったような治療方針を選択するよう誘導していくだろうし。
 
つまり診察を変えるとは、その人の性格を変える、みたいなもので簡単にできるものではありません。
 
ただ僻地診療所で村民の方と少しずつ仲良くなり、患者さんの人となりを知っていくと、「この患者さんを出来るだけなんとかしてあげたいなぁ」という情みたいなものは湧いてきます。
 
ただ特に大きい病院になればなるほど、患者さんと揉めたり、訴訟になったりとそういったリスクをまず第一に考えるようになります。
 
医者は訴えられやすい職業ですので、少なからずみんな神経質になっています。
 
なのでガイドラインに沿った、妥当性が高いと思われる医療をする、そこが一番大切みたいになってしまい、患者さんの心情より、そこを目標にしてしまうみたいな傾向はあるように思います。
 
そこが大学病院の医者にすごく冷たい対応をされたと感じてしまう患者さんが多い理由の一つかもしれません。
 
まとまりない文章になってしまいましたが、今日はこの辺で。
 
また僻地医療をしていて、感じたことなど書いていこうと思います。
 
ではでは