僻地で働く医師として思うこと Part2 日本の少子高齢化の行く末 | KMMのブログ

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人口700人程の村にある僻地診療所での勤務が終わり、現在は大学病院で勤務しています。
診療を通じてたことや、個人的に気になったことなど適宜書いていこうと思います。

私は自治医科大学を卒業し、人口700人ほどの村の僻地診療所で働いています。(実際住んでいる方はもっと少ないと思います)

 
もちろん一人診療所で、この村で働く医師も私一人です。そんな環境で働いていると色々と感じることがあります。
 

先程、

少子化はもう止められない 「出生数90万人割れ」へ 少子化が加速する社会の課題とは

という記事を読みました。
 
少子化が加速し、2019年は出生数がついに90万人を下回る可能性があるとの記事でありました。
 
僻地診療所で働いていて思うことがあります。
もしかしたら、現在のこの村の姿は、将来の日本の未来を示唆しているのかもしれないと。
 
私が働く村は、高齢化率は50%を超え、診療所にくる患者はほとんどが80歳以上で、70歳代の方だと若いと思ってしまいます。90歳代の方も1割程を占めています。20年程前は診療所も夜までひっきりなしに患者さんが来ていたみたいですが、今では1日25人程で、ポツポツと患者さんがくるというのが正しい表現かと思います。村からは毎年20ー30人ずつ人口は減っています。
一方生まれてくる子供は年に2人ほどです。
診療所に定期通院している方でも、2年後は診療所に通院するのは厳しいだろうなあと感じる方がたくさんいますので、おそらく今後も患者さんはどんどん減っていくだろうと思われます。
 
村内に高校はなく、小中学校の児童は全部あわせても25人程です。
 
50歳くらいの村で育った方からは、「私たちの頃はどの学年も30人以上はいたのになぁ」みたいな話を聞きます。
 
もちろん今の日本はここまでの状況ではないとは思いますが、ただ大きく違うかと言われると共通する部分も多分にあるように思います。
 
第一次ベビーブームの時は270万人の子供が年間産まれてたみたいです。
2019年は90万人を切る可能性が高いというのが現状です。
 
母親が小学生の時は、一学年40人くらいで、7ー8クラスくらいあったみたいです。
今の時代、学年に1クラスしかない小学校も珍しくないんじゃないでしょうか。
 
私が働いている村と同様、今の日本も生まれてくる子供よりずっと多くの方が他界されています。
 
今の日本が、何年前の私の働いている村の状況に近いのかはわかりませんが……
医療の世界も近い将来必ず患者数が減少していく時代が来るのだろうなあと感じます。
 
現在は歯医者も弁護士も過剰と言われ、激しい競争を余儀なくされています。私が中学生の時は、医者や弁護士や歯医者は社会的地位が高く、高収入で安定した職業と考えられていました。
 
医者が安定した職業だという考えも、近い将来なくなっていくような気がする今日この頃です
 
ではでは